映画雑文 トカ

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ニワカのわい、セミくらい泣く。【劇場版 ヴァイオレット・エヴァガーデン】ネタバレ感想‼️

【 劇場版 ヴァイオレット・エヴァガーデン 】を観ました。

ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️

【掴み以外は、最高】

掴みにおいての異常なまでの家系図のややこしさは、ラストに特大の感動が待ち受けてる 大作の掴みとしては正直どうかと思いました。この掴みの下手こいた感さえなければ満点にしても良い作品だった。

手紙代行の時代が終わり、電話の時代になっていくというドールの物語の終わりとして、手紙の不可能を電話で可能にするというエピソードを入れてくるのはさすがに作りが上手くて面白かったです。そのうえでしっかり手紙でエピソードを終わらせてるのも好き。大好きな人と距離を取られて、それが最後に再会してっていうヴァイオレットと少佐の関係の対比も同時に組み込んでる話だから、本当に映像だけでなくストーリーの完成度もお見事でした。

だから他がいいだけに、掴みから あんなややこしい家系図で、結局 孫…??をキーキャラクターとしてヴァイオレットのストーリーの間にわざわざ挟み込んでくるのは正直、無くてよかったと思います。手紙の終わり、電話の始まり、それでも続いてる手紙の島、ヴァイオレットと少佐の幸せ、っていうこれだけでよかった。その数十年後の世界観での話は自分は別に求めてなかったので不要でした。アニメ版で描かれた妹と兄の話をうまいこと少佐たちの兄弟関係に重ねてくる手法とかは無駄がないうえに補強にもなってたんですが、あの孫は要らなかったかな。。現代での手紙の良さみたいなのを伝えようとしたのも分かるんだけど、それはもうヴァイオレット・エヴァガーデンという作品自体が我々に向けてずっと伝えてきてることだと思うので。。

君の名は。ふたたび】

後半のあのシーンについては前振りの積み重ねと、その頂点となるシーンでの音楽を流すタイミングに一切の間違いがなく科学的に証明できるレベルの正解を見せつけてくれました。もう京都アニメーションが制作してたら【デビルマン】でも泣ける自信あるぞ。。

外伝で描かれた、近くまで来てるのに 重要な2人が再会しないっていうラストを、潔いくらいに今作へのフリにしてるので、もうやり方が新海誠監督と同じ。卑怯。観客は製作陣に頭下げて、お願いします!頼むから見せて下さい!2人が出会うところ!見せて下さいッッ…!って願うことしか許されません。今回はまじで【君の名は。】でした。

少佐との再会の流れがついに来たのに、なんでヴァイレット船に乗ってんだよ。さすがに少佐と船の距離、理想と現実くらい遠いぞ。叫んで声が届く距離じゃないし…こちとら再会して抱き合うラストが観たかったのに なんちゅう距離感にしてくれてんだよ 大バカ野郎!って思ってたら、なんの迷いもなくヴァイオレットが海に向かってジャンプ決めたので その瞬間に涙のスイッチがぶっ壊れました。あ、観たかったものが観れる。。っていう未来を予知してしまって涙腺が言うこと聞かずに泣き始めた。瀧くんが三葉に話しかけたときみたいな高揚感。金ローの総集編と映画しか見ていない自他共に認めるニワカヤローのくせに普通にちゃんと泣きました。2人が同じ画面に入ってるだけで泣く。映像に映ってなくても、ヴァイオレットの過去としてあれだけ無の境地だったヴァイオレットが大泣きしてるという事実だけでだいぶ体が震えてくるんですよね。。ヴァイオレットの声がもう演技としては受け取れないくらいリアルな泣き方なので、声優さんの表現力の高さにだいぶ引っ張られてしまう。泣く泣く。

【あわりに】

全体の構成は、あの男の子の依頼と少佐との再会までの長い振り、男の子の依頼とヴァイオレットと少佐の関係性が重なって、最後で2人とも再会するっていうシンプルな作りをしてるのに、シンプルに正面から泣かされるという演出の凄まじさに感動しました。人が劇的に死ぬような作品が持て囃されてる昨今において、言葉での再会に重きを置いているこの優しいアニメシリーズがちゃんと大人気になってることがちょっと嬉しかったりもします。

京都アニメーションさま、またまた素晴らしい作品をありがとうございました。