予想通りのクオリティ…【 ファンタジーアイランド 】ネタバレ感想‼️
【 ファンタジーアイランド 】を観ました。
【伏線が顔覗かせてこっち見てくる】
物語の掴みに いじめっ子女子が何者かに捕まる場面を持ってくるのはいいと思うんですが、そのほかにも序盤から続々と不穏な空気を出しすぎてて、実はヤバい島だったっていうギャップがめちゃくちゃ弱くなってた。不穏なポイントを並べてみると… ●森に潜むマイケルルーカー。 ●スタッフが謎の鼻血。 ●マギーQの鏡に映る謎の人影。 ●不気味な男性スタッフたち。 ●廊下の上から滴る謎の血。 ●謎の人影。 ●謎の人影。 ●謎の人影。……と、開始2〜30分でいったいこの伏線小僧はどれだけおれの目の前に露骨な伏線置いてくんだ…っていう、目立ちたがり屋の伏線たちが気になって映画どころじゃない系、映画でした。新しいが過ぎる。
【悪めのワンピース】
まず何がこの映画失敗してるかというと、おおまかな構成の作り方と、明らかに急ぎ足が過ぎるテンポ、残りは製作者の物語に対する感性の無さだと思います。
構成の作り方でいうと「分かり辛くなってからのワンピースか」ってくらい、バラバラに配置したキャラクターのストーリーをちょっとずつ小分けにして見せてくるので、1人1人のストーリーがなかなか終わらず、とにかくまとまりがない。 それこそワンピースなんかは、キャラの個性が分かりきってる状態でバラバラに配置してるので、キャラを追う楽しさがあったりするんだけど、今作はたいして説明もしてないようなキャラをすぐにバラバラに配置して進めてるのでとにかくストーリーがどうでもいい。夢がメインテーマとしてあるんだから、テンポ重視の島スタートも分かるけれど、もう少しここにきた目的とか過去、経緯を描いてからついに夢の島!っていう描き方をしてほしかった。ちゃんとそれをやれてたのが主人公の女の子とあの男の人が会話したシーンくらいしか思い浮かばない。
【テンポ良けりゃ良いってもんじゃない】
この、4組バラバラ配置がもたらす悪影響ってそこだけの話じゃなくて、通常なら最初の1時間でファンタジーアイランドの最高で幸せな部分を見せて、後半からファンタジーアイランドの最悪でやばい部分を明らかにしていくって作りにすると思うんですが、主人公の女の子だけ明らかに不穏な「拉致」とか「拷問」とかのキーワードが飛び交う、【ホステル】ばりにやばい夢に突入してて、最悪な部分見せるテンポ早すぎるだろと観客の誰しもが頭よぎると思います。もうあと30分で映画終わるかなって展開が、まだ始まって30分とかで起こります。こういうところがまさに急ぎ足だし、これでオッケーっていう感覚もおかしい。
いちばんおかしくて笑いころげたのが、親父がアンダー・ザ・ドームの主人公だった男の話なんですが、人の命を救って死んでしまった、英雄である親父のことを助けたい!みたいな話って、普通、息子は親父を家に帰したいけど、親父は英雄だから絶対に仲間の元から離れず 死地に向かうことをやめない、っていう構図にすると思うんですが、この映画はそこが真逆になっていて、親父は何としても家に帰りたい、息子は何としても親父を死地に送りたいっていうあまりにも歪んだ親子愛してて、たまげます。
親父を死地に送るために 息子が親父と戦う展開始まったとき、自分、生まれてはじめて口に入れてる飲み物ちょっと吹き出しました。ああいうのって漫画の中でしか起こらないと思ってたんですが、ほんとに吹き出すことってあるんですね。ズボンに染みたコーヒー代、払って下さい。いったいどういう展開なんだよ。。
【いろいろと】
主要キャラがみんなニックとかいう「お前だれ?」ってキャラと、関係性持ってた展開は【人生スイッチ】の飛行機の話と激似でした。
終盤で主人公が、ニックとの関係性から、行動に至るまでの流れを話し出すとこの自分語りがものスゴくて、ファンタビ2の主人公キョトン顔 真相シーン思い出しました。
後半はもう、何が誰の夢なのかわからんし、夢がどこまで自分の意思で動いてるのかも正直よく分かりませんでした。てか多分、あんまり考えられてもない。
ラストに至っては 人が死んでるのにも関わらず、さぁさ!お家に帰ろう!って空気の女性陣と、平気な顔してファンタジーアイランドの運営を続けようとしてるオーナーっていう、まれに見る勘違いハッピーエンド迎えてて気が狂いそうでした。いやオーナーのお前は、特にファンタジーアイランドをなんとしても壊滅させるために少しでも取り組めと。まずあの泉を、今すぐに手榴弾で爆破しよう。それによって上空で、JDが突如姿くらましみたいにこの世を去ったとしてもそれはもうアレですし、仕方ない。前向いてこ!
というかJDに関する線引きとかも、どこまでファンタジーアイランドの魔法が通用するのかめちゃくちゃ気になるんですが、そこも多分あんま考えられてない。JDの存在ってこの映画でいちばん気持ち悪い所かもしれない。
おもんなかったですが、Filmarksの評価点数2.9になるほど画面のクオリティとかは低くなかったのが唯一の救い。
みんなのせいみたいな空気出してるマギーQが、いちばんの元凶だった。
ありがとうございました。