映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

ひっ…【トイストーリー4】ネタバレ

トイストーリー4、この内容で現代社会を上手く作品に取り入れて風刺したつもりなのか。最悪の結末を描いていることに制作側は気づいてないのか。

f:id:mmmryoshe:20190801034505j:image

トイストーリー4に対する世間の熱が、天気の子がもたらした雨のおかげで若干冷めたかなという状況になったので感想を書きました。

ちなみに若干冷めたかなというよりは、賛否が激しく別れる映画が短期間で交代しただけですね。どっちも嫌いでした。

ということで今から、嫌いなものを語ります。よろしくお願い致します。シャァ!


"自分をゴミだと信じ込む" フォーキー。
こどものおもちゃでいるという "自分の仕事に対して疑問を抱く" ウッディ。
ラストに登場した "なんで生きているのか分からない" フォーキーの恋人?
現代のブラックな働き方を風刺した、特に日本ではウケるだろうテーマを持った今回のトイストーリー。
予告の時点でフォーキーがそれを匂わせる発言をしていたので、そうだろうとは思っていた、ウッディがこどもの元を自らの意思によって去るというラスト。
これはつまり、自分を縛る仕事からの解放。 本当にやりたいことを追い求めるという選択。 これは おもちゃが心を持つというファンタジーを描いた、トイストーリーだからこそたどり着いたラスト。辿り着いてしまったラスト。

そもそもおもちゃは何のために存在するのか。散々作中で描かれてきたことだけど、こどもが一歩踏み出そうとするのを影から支えてあげること。応援してあげること。励ますこと。
トイストーリー4でもちゃんとボニーが新しい環境でやっていけるためにウッディが頑張って活躍するシーンがある。 おもちゃに寄り添ってこどもたちは前に進み、辛いことがあってもおもちゃがあれば…って成長していく。ゲームにしても本にしても、ぬいぐるみにしても、それが同じ娯楽としての理想形。 トイストーリーはまさにそんなおもちゃたちの影の頑張りを長年にわたって描いてきた作品だった。
しかしトイストーリー4は、そのおもちゃたち自身に現代社会の人の心を持ってきた。おもちゃにもその環境が辛いことがある、人と同じように進むべき時が来る、変わる時が来る、と。
いやいやいや、そもそもおもちゃは誰のためのものなんだって。現代社会で苦しむ人たちをおもちゃが助ける、娯楽を与えることで、人々を笑顔にするっていうのがトイストーリーじゃなかったのか。
人を助けるおもちゃが、人と同じになってどうするんだ。それをやり出したら、「トイ」ストーリーである意味がないし、ましてやディズニーやピクサー現代社会に娯楽を提供する側がそんな疑問を持つなんていちばんダメだ。

疑問を持ったとしても「やっぱりそれは違うよな、子どもたちを笑顔にするのが俺たちの仕事だよな」で終わるんだとしたらまだ分かる。しかし驚くことに、ウッディは10年以上の付き合いである仲間たちを数秒で見捨て!バズを見捨て!ボニーを見捨て!キャンピングカーを見送ったのち ピクサーの記念すべき1作目、「トイストーリー」にてバズがこれからのピクサー、しいてはディズニーの飛躍を誓うかのように放ち、現在のディズニーの実績で伏線回収をした見事なまでの名言「無限の彼方へ、さぁ行くぞ!」を、互いの声なんて聞こえやしないバズと、聞こえてるはずもないウッディが 半分に分け合い口からこぼすように弱々しく発するという考えうる最悪の中でも最も最悪なラスト。
ここがそのセリフの回収場所じゃないでしょう。行くぞもなにもウッディ、そこのテーマパークで新しい仲間と楽しくやってらぁ!なんか旅とか、、そういうやつじゃなかったし…。
いったいどこに行くんだろう。

トイストーリー」以来24年ぶりの短編なしでのスタートっていうのも、「トイストーリーから始まった物語を終わらすために今回はわざと短編流しませんでした」っていうプロデューサーの発言より、「子ども喜ばせるの疲れたから今回は自らの意思で!流しませんでした!」っていう前向きな発言の方がしっくりくるな。今回の観た後だと。
最後の最後、「なんでわたしは生きてるの?」っていう現代社会最大のテーマに、トイストーリー3という完璧なラストがあるにも関わらず描かれた今作のメインキャラ、フォーキーは 一体どんな答えを持って、この20年に渡る名作を終わらせるのかー?!
さぁ、ディズニー。無限の可能性を見せてくれ!

フォーキー「なんでだろうね」。。。

飛んでけ、彼方まで。