映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

ニワカ、【アニメ版 エヴァンゲリオン】を初めて観る。

新劇場版4作を観て 感動して泣いた、大したファンでもないニワカである私が、ついにアニメ版にも手を出してみたので、感想をココに書かせていただきます。

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以下、ネタバレの嵐、ご注意🚨

正直、ここまで【 いつ どの時代に放送されてても、伝説になるアニメ 】って初めて見たかもしれない。。

残酷な天使のテーゼ

掴みのオープニングテーマである【 残酷な天使のテーゼからして、突き抜けるほど映像と楽曲の噛み合わせが良いので何度観ても飽きない。飽きないどころか、「はぁねぇがあるぅぅ、こ、とォォォォッ」からの怒涛のカットバックが高揚感を直接刺激してくるので、観るドラッグとは、まさにこのこと。コレほんとにカッコいいが過ぎるでしょ、どんなセンスしてるの。。

エヴァのデザイン 】

ロボットなのに、獣みたいに俊敏なエヴァンゲリオンの設定、2021年に見てもいまだに他の追随を許さない圧倒的な斬新さなんだから、当時のアニメ・漫画クリエーターの心境と言ったらとんでもなかったろうな。。ワンピースの2年前とか?考えられない。。

【 シンジはおれ 】

自分は、新劇を制覇してからやってきた公式ニワカファンなんですが、主人公であるシンジのキャラクターをちゃんと理解するためには、このアニメ版を視聴するのは必須条件でしたね。。新劇場版とアニメ版でだいぶシンジに対する感情が変わりました。言うなれば新劇場版のシンジは、近所で会ったら挨拶する人くらいの距離感だったんですが、アニメ版のシンジはもうオレ。親戚の子とか 実の弟とか、そんなのを全て飛び越えた先の、もうオレでした。あまりにも不憫で、優しくて、思いを言葉にできない、人間味に溢れてるキャラクター。新劇場版のシンジの描写が下手ってわけではないんだけど やっぱり積み重ねた分、かなり違いかありました。嫌な気持ちを隠しながらも、完全には隠し切れてなくて嫌味な話し方になっちゃうのとかすごくリアル。

【 破の流れ 】

ストーリーは長いので だいぶはしょりますが、映画版の流れがそのまま正史だと思ってたので、トウジをアスカに置きかけてあの【破】の流れにしたのは再構築として完璧だなと思いました。普通に見ててもアニメ版のあの流れは無駄があるというか、トウジの投入はそのまま作品の引き伸ばしを感じるくらい必要性が分からなかったです。よりにもよって、なぜトウジ??

【 アクション編 】

第二部とされてる「アクション編」が映画版とアニメシリーズのいちばん大きな違いで、まるごとココを抜いてるのが映画版といった印象。 漫画原作アニメのアニオリ回みたいなテンションと雰囲気なので、楽しめたり 楽しめなかったり。。結局は映画版のメインストーリーである話を 詳細に描いている回のアニメ版がいちばん面白かったです。 シンジとアスカの葛藤描写に関してはまるで濃度が違うというか、メインキャラ3人のなかでも、レイだけ極端に描写が少ないので、エヴァ綾波レイではなくて、エヴァのアイコン=綾波レイっていうイメージに変わりました。 レイは、本編での描写よりも作品のイメージアイコンとしての役割を担ってる部分の方が遥かに大きくてビックリ。レイ、存在感が薄い。。

【 使い回しカット 】

一気見すると後半につれて「見たことあるなぁ…」どころではなく「またこの構図だ。。」っていうレベルで、同じ絵を嘘みたいにスムーズな流れで再利用してて、普段だと「サボるなよ」ってなりそうなのに、脚本の内容をみる限り 明らかに制作側の余裕の無さが見て取れるので、制作の創意工夫として逆に尊敬してしまいます。 再利用するところまで見込んで、ああいう舞台を選んだんじゃないかってくらい使い勝手がいいな、作戦司令室。どのカットでも再利用できる優れもの。

【 伝説のラスト2話へ 】

Qとは別ルートに入っていく、20話のシンジがエヴァに取り込まれてからの内面描写は終わりの始まり。このあたりから明らかに何かがおかしくなっていく。

伝説のラスト2話を見るために頑張って見てきたってのはあったので、ラスト2話の、視聴者の入る隙が一切ないほどの、ATフィールド全開な心情描写の数々には、まずひれ伏す。こんなアニメがテレビ放送されてた時代、文字通りヤバすぎます。 この作品が現代にちゃんとその形を保ったまま残ってくれたの、奇跡です。有害指定とかされてても文句言えないくらい、正直病んでるし、狂気じみてて怖い。 いまこういう演出をしたところで、エヴァンゲリオンに影響されてるなって言葉で片付けられるけど、ちゃんと制作状況のヤバさからこういう演出になってしまったという事実、演出に一切の偽りがないので、怖くて泣けます。 しっかり精神が壊れた状態でこんなもん作ってるの、正直ウルトラ怖いでしょ。お父さんのために子どもが頑張って作ってきたプレゼントが、鶏とイノシシとゴキブリのキメラだったみたいな底の見えない怖さ。ちゃんと壊れて作られてるのが、怖い。

誰も理解出来なかったから、あれをネタ化することで笑いに変えて、みんな理解することから逃げたんだなって思った。

【 まとめ 】

シンジがたった1話でカヲル君に入れ込むの、全く感情移入が追いつかず、Qってめちゃくちゃその辺上手かったんだなって思ったり、 ミサトとリツコ、またケンカ始めたと思ったら、場面転換と同時に仲直りしてて、距離感の変化がコントみたいだったり、 キャラクターが全員、名字が漢字、名前がカタカナで統一されてるので、新劇場版で宇多田ヒカルが選ばれたのは運命だなぁって思ったりしました。

ただのアニメとして片付けるには、どう考えても消化に悪い作品。 これは、だれもスルー出来ないはずだ。。

ありがとうございました😊