映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

漫画【アオアシ】という ホームドラマ。

ここ最近、アオアシというサッカー漫画を読んでいます。サッカー漫画に全く触れてこなかったので、よくある設定やよくある展開が分からない、常識知らずなポンコツ人間ですがどうぞよろしくお願い致します。

 

このアオアシ、なにが面白いかってまず大きいのは1巻ごとの構成です。いま現在11巻まで本腰入れてきっちりと読ませて頂いてるんですが、2巻あたりからその構成がすでに完成、型にハマっています。その構成というのが、ピンチからの逆転。

 

プロサッカー選手を目指す主人公が、その前段階である、才能を開花させた高校生たちが集まるユースという場所で成長していくお話なのですが、この主人公。とにかくトコトン落とされていきます。なんせ高校生に成り立ての主人公のまわりには小学生の頃からサッカーだけで育ち、「プロになれなきゃ人生終わり」なんて言葉を澄んだ瞳で淡々と吐いていくような子たちばかり。思いが重いんです。

ここに突如として現れた高校生の主人公が彼らを無双していくのでは、あまりに現実味がない。そーゆうことで とにかく落とされる主人公。まぁ、落とされる落とされる。自分以外の同期が、全員 知り合い同士って…。とにかく状況と、環境がきつい。うずまきナルトよりスタートの設定かツライ。

 

そして まぁ、酷い扱いをしてくるのがそいつらだけならまだしも、先輩も人でなし。その上、他のキャラクターを上回ってきます。人に育てられた経験があるとは思えない純度100パーセントの悪意を持って、そこ超えるとアウトっていう線引きを 表情の嫌みだけで軽く飛び超えてくるし、もはやその線の上を スパイクでグッグッ踏みつけてくる。

おそらく感情関係のものを、ユース入団と引き換えに全部持っていかれてるので、こいつにも可愛そうな面があることを読者側に感じさせる重要なシーン。ユースの恐ろしさというものが垣間見える。この悪魔のような男のなにがこうも人の感情を揺さぶって離さないかと申しますと、スパイクなんです。

主人公のスパイクを こいつがバカにするわけです。それもこのスパイク ただのスパイクじゃない。水商売で家族を支えてるお母さんが 汗水垂らして主人公のために買ってくれた大切なスパイクなんです。それを彼はバカにする。その悪意のシュートの精度と角度は素晴らしいんですが、いやこれ仲間に対してのシュートなので、もうオウンゴールです。失点。「お前、もう退場な」肩、ポン。

 

しかし、凄いなと思ったのが ここで家族をストーリーに持ってくるのかという点。1、2巻の時点で すごいな、面白いなと思っていたのがまさにこの点で、アオアシという作品、家族の描写がやけに多い。なんらかの決意、今後の目標、色々なストーリーの展開となる部分にかなり家族が関わってきてる。少年漫画に母親を出すとストーリーが進まないとよく言われてるなかでこれは面白い。

それどころか ユースへ行くことでかかる経済面での困難だったり、そこを描写するのかというもうスレスレの、物語ストップまで あと一歩!を攻めてくる展開なんて最高でした。これは なかなかないんじゃないかなと自分では驚きの連続。

 

落とされまくる主人公、それを支えてくれる家族。この2つで進んで行くだけでも面白い序盤をさらに面白くさせているのが 先ほどの構成、ピンチからの逆転。

 

この主人公、巻の終わり頃になると 必ず覚醒します。それも、計算された完璧なタイミングで毎巻毎巻 覚醒し、強くなっていく。巻の序盤で 困難や失敗があり、それが中盤において、仲間や家族、コーチからのアドバイスだったり 主人公の気づきによって変化。終盤に覚醒するという、「シリーズ」ではなく「巻」によって構成が完成する、とても簡潔な面白さを持っています。巻数が進んでいけばいくほどに主人公の積み上げてきた努力が自分の中に眠っていた才能に波紋を起こし、そして目覚めさせていく。11巻 最高のシーンを、これを読んでるあなたと感じたい。

「ハッハッハッハッ」。

読むという努力に対してきちんとした面白さで 見返りをくれる作品です。

 

わたしは12巻から16巻まで一気読みじゃい。

 

あなたもアオアシ、どうですか❓

 

アオアシ 1 (ビッグコミックス)

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