【隠れるな… 名作…！】

久しぶりに予期せぬ驚きと覚悟、秘密を隠し持った映画に遭遇した。。

【街の上で】【花束みたいな恋をした】系統の大学生恋バナ映画かと思いきや、その面はしっかり作戦を立てたうえでのカモフラージュでした。この二転三転する展開はタイトル見ても、パッケージ見ても予想できない領域。それも恋バナにドラマを隠してたんじゃなく、後半に導くための恋バナっていう配置にハートを的確にガシッと掴まれた。偶然とはいえ、この大学生活的なジャンル、1年間の間に進化しすぎではないか…？？出るたびに到達点超えてくる。。

【下ネタの素敵な扱い】

恋バナ形の映画の中でも、下ネタがリアリティ表現のための下世話な下ネタじゃなくて、必死に悩んでるキャラクターたちが必死にぶつけてくる下ネタなので嫌な印象がまるでなかった。童貞、処女とかのワードを平気で連発してくる映画のノリってだいたい気持ち悪いことが多いんですが、この映画の温度感はほんとにスゴかった。やっぱりちゃんと向き合ってる映画は気持ち悪くないんだなと、自分の感性は間違ってないって言ってもらえたようで嬉しかったです。どこまでも愛情として発露してた。

【出会い、大好き】

実に簡単なきっかけで、人と人は出会って友達になれるっていうことを映画の中で表現してくれる序盤の幸福感、そこまでサブカルチャーを利用して現実社会のリアリティを表現してくるタイプでもなく、しっかり柔らかめな脚本で関係性を描いてくれてたのも良かった。

序盤、穂峰と約束するシーン見てるとき、「こういう時って明日死ぬかもなんてこと考えたりしてないよなぁ」って思いにふけってたので、その後穂峰が本当に死ぬっていう展開にはまさに堀外みたいな表情になった。

【キャラも大好き…✨】

佐久間さんのタッパのあるビジュアルから出る、素が溢れまくるキャラクター性、人間味も同時に溢れてて好きだった。奈緒さんも帽子ひとつでよくあそこまでビジュアル100点に持ってけるなってくらい可愛さだけで存在感補ってて、下手したらセリフ無しでも行けそうなくらいキャラとしての完成度が高かった。そしてよっしーは、とにかく声が良過ぎる。。小日向さんの息子さんらしくてビックリしました。

【演出まで、良い…】

アンケートとか遺書とかを出してくるタイミングも見事だし、そのまま下の階の子どもに繋げるのもめちゃくちゃ良い。。ガンバレ〜に色が塗られてるとか、一歩先を行くような観客のコントロール術もエグい。欲を言うなら、翔吾くんの部屋の窓を割るときスマホじゃ無くて、穂峰くんの形見の何かで割るって作りだったらさらに良かったかな。DVDケースでも良いし。

あまりにも面白くて、残り10分のときの絶望感ハンパなかった。。「あと2時間見せてくれ…」って思いながらエンドロール迎えてました。。最高。。

「私ってやつは……」って口癖がずっと頭に残ってる。。

ありがとうございました😊