親友だと思ってたら、突然ぶん殴ってきた。【街の上で】ネタバレ感想。
【 街の上で 】観ました。
ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
映画観終わってからだと、ポスターの印象が一気に変わって良い。
【 最高の序盤 】
カップルの試着に巻き込まれる所から始まり、 女性からの貰いタバコ、 ヤバい警察官の自己紹介、 古本屋での聞かれたくない曲名、 カフェでの「文化っていいな」 からの聖地巡礼案内に至るまで、 脚本に演技の糸を通すことで ココまで一瞬にして面白いことが起こるのかっていう、あまり観に覚えのない新鮮な世界観に魅了され続ける、未知の面白さを秘めた作品でした。
【花束みたいな恋をした】より、2年も先にこの世界観を作ってたのに、こっちの方が発表遅いっていうのも結果的にはこの順番で良かったし、ジム・ジャームッシュっぽいなぁとか思ってたらすかさずパターソンのパンフレットが 映ってるの見つけて、アツかった。他作品のタイトルなんかをあまりセリフには出さず、後ろのポスターなんかで主張してくるのは結構好きでした。0.5ミリとか、愛がなんだとか。
【 最高の中盤 】
終始、若葉くんの演技がうま過ぎて、成田凌出てきたときの本物の俳優感すごい。あの場には俳優しか出てないはずなのに、成田凌だけが俳優に見えてた。
スタートから溜めに溜めての2度目の本読みシーンが面白すぎたんですが、それだけの人間が集まってて誰も演技指導してあげないのかよ。責めるところ、配役とか以前に目に見えて演技指導だよ。
打ち上げの飲みのシーンでの若葉くんの立ち位置のなさが、自分の心の中の共感の部分を水道ひねったかのようにドバーッて溢れさせてきて、すかさず助けに来てくれたイハさんが天使のように見えました。あんな気遣いに出会ったことねぇな。
【 なんじゃあオイ 】
ただその後のイハさん家でのワンカット長回しは、演技の生々しさ めちゃくちゃ大好きだったんだけど、下ネタトークが今までの面白さとかけ離れてて、恐ろしい速度でトーンダウンしていくから「勘弁してくれ!」ってなった。 そこからの、 恋人は成田くん、 合鍵彼氏とバッタリ遭遇、 5人での誤認会議、 気狂いポリスとの遭遇 などなど、いままで作劇的なものを面白がってたわけじゃなかったのに、なんか急激に作り物っぽくなる無理やりなストーリーラインがおれ目掛けて襲いかかってくるので、結局またおれ打ち上げのひとりぼっち感を味わわなきゃいけねーのかよっていう、社会不安障害モードに突入。5人での勘違い劇自体はめちゃ面白いんだけど、ここまでの面白かった世界観とあまりにも乖離してる気がしてダメだった。キャラクター同士がバッタリ合っちゃう展開があまりにも多すぎたので終盤で一気に萎えました。この街の人口、どうぶつの森かよ。
BGMが小野リサの ゆったりした店で最高の空気味わってたら、突如ミラーボール投下されて、陽気な恥知らず共に店内荒らされたみたいな気持ちになりました。
主人公死ぬ感じのフラグが立ってるなぁとか思ってたんですけど、まさか自分が殺されるとは思ってませんでした。
ありがとうございました。