映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

この世界、アリスより闇が深い【実写版 ピノキオ】ネタバレ感想‼️

ピノキオ、観ました。

ネタバレ注意です⚠️⚠️

【ゼペット爺さんの心労、半端ない】

原作アニメを観てないのでどのくらいの再現度かは分からないんですが、簡単に言うと子どもが怪しい大人たちに惑わされて怖い目に遭い続けるお話なので、おれがゼペット爺さんだったらぜったい最後まで観てられないし、たぶん周りの安全を確認せずに地面めがけて後頭部からぶっ倒れてると思う。そのぐらい終始ピノキオが可哀想な目に遭う。日本語吹き替え版のピノキオ役の子の演技があまりに上手すぎる事も相まって益々可哀想…笑

【観客への心労も、半端ない】

「悪そうな大人に着いていくな」っていうメッセージのもとに製作されてるならこれ以上の伝え方は無いと思うんだけど、そういうテーマ性以上に人体ロバ化現象とか、子ども誘拐事件とかの描写が確実に子どもに強烈なトラウマ植えつけるヤツなので、注意喚起どころかこの作品を見ること自体が注意されそうなの、一周まわって愛おしい。

【80年前のヤミ世界観】

"正直ジョン"とかいうキツネが平然とした顔で服着て二足歩行してるかと思ったら、動く操り人形であるピノキオに驚く人がいたり、逆に驚かないひとがいたりとリアリティラインが一体どこに引かれてるのかまるで分からない作りしてるのも奇妙で面白かったりする。世界観がナゾ。 ストレス要素である正直ジョンやら、なんとかランドに連行しようとする2人組だったり色々嫌なヤツが出てくるのに、ソイツらがあまり痛い目に遭うことなく対して後始末もせずにそのままフェードアウトするのも80年前の原作に忠実な証拠かなって思う。いや、80年前て。ピノキオのビジュアルデザインとかウソついたら鼻が伸びるとかのアイデアが80年前…?!耳どころか、この世の全てを疑うレベルです。スゴすぎる。。

【例の問題って…】

ブルーフェアリーを有色人種の俳優さんが演じるってことでいろいろ騒がれてたけど、ほとんどそれでしか話題にならずに配信日迎えたの、かなり勿体ないと思う。そもそもなにが悪いのかって、実写版を謳ってるくせに原作の設定を無理やりに変更して発表してる点。有色人種の俳優さんに妖精を演じさせることに問題なんて何ひとつないことは当たり前だし、なんなら今まで妖精にそういうイメージが無いぶん魅力的なギャップに出来る可能性は十分あるんだけど、それならなぜ新作としてそういうキャラクターを発表しないのか…。こんなの新作で出すと売れないから、わざわざ人気コンテンツにねじ込んで発表してるって言ってるようなもんだし、その人気コンテンツ自体が好きな人にとっては設定変えられて発表されるのは嫌でしかない。設定と違う人が演じてるってことがイヤなのに、まるで有色人種の人が演じてるから否定してるみたいな気持ちにさせられるのもホント嫌。ここまで露骨に取り入れ方が下手だと、いちばん差別を助長してるのはディズニーなんじゃないかと思ってしまうわ。なんで風上から導入せずに、風下から風上に向けて放り投げてくるんだよ。どうみても逆風しか吹いてないだろ…。【ミラベル】みたいにやってくれるなら何も文句言わないからさ…。

【まとめる〜】

トムハンクスとロバートゼメキス監督のコンビ、面白い率 高いよなーとか思いながら、正直ジョンの声優やってるとろサーモン村田さんの演技が声優顔負けでビックリしてた。高橋一生みたいな良い声してたー。トムハンクス役の江原正士さんは安定に素晴らしい…✨

ありがとうございました😆

2分で観るのをやめよう【2分の1の魔法】ネタバレ感想‼️

2分の1の魔法、観ました。

ネタバレ注意⚠️⚠️

ペガサスがゴミ漁りしてるの地獄のアイデア

【気が向いたら殴りたくなる兄貴】

前半特に、兄貴の自己中な行動力がめちゃ不快だった。周りに迷惑かけてる時点で最悪だし、自分にしか分からない知識の武装で「〇〇になったつもりかよ!」とかいちいち絡んでくるのガチウザ過ぎる。せめてあの性格なら、弟にして欲しかった。魔法の才能がある根暗な兄貴と、魔法の才能がないけど明るい弟。兄貴ってことで鬱陶しさに磨きと拍車がかかってた。 そんな兄貴、弟から厄介者扱いされてたことを知ってバカ凹みするんですが、いやおまえ厄介者でしかないやろ。積み上げてきた無神経な迷惑のせいで嫌われてるわけなので全面的におまえが悪いんじゃないのか。他人のことを考えれてないから、他人から愛されてないんだぞ。

【気が向いたら殴りたくなる弟】

その後、兄弟の協力プレイでようやく兄貴が良いとこ見せ出したと思ったら、お次は 弟の方がどう考えてもありえないタイミングで兄貴にキレるの、脚本終わってました。目的地に着いたつもりが学校の前だったってことに戸惑いと怒りを覚えるのは理解できるとしても、それを兄貴にぶつけるようなキャラじゃなかったじゃん…。展開優先し過ぎて、弟のキャラクター崩壊してた。 兄貴にキレた後、これ見よがしにToDoノートに線引いていくのもめちゃめちゃ腹立つー。兄貴との生活が急に良い思い出になる展開も都合良すぎるし。

【ラストの解釈…】

ラスト、兄貴しかお父さんに会えなかったのは、兄貴だけが誰からも愛を受け取れてなかったから父親からの愛が必要だったんだろう。弟は兄貴から、お母さんは警官から愛されてるわけで、兄貴だけ愛に取り残されてた結果、自分の愛した魔法の先に居た父親から愛を受け取る。こうまとめるとかなり良く出来てて面白そうなんだけど、まるで本編が面白く無いの、欠点にも程がある。

【しかし面白くない…】

ずっと目的に向かって前進してるはずなのに、メインキャラクターの5.6人にだれひとりとして魅力的なキャラがいないので、なにも面白くない。話が進んでいたとしても「よくこんな脚本で映画制作に踏み切ったな」としか思うことがない展開の地味さだったり、何もかもが未完成な印象だった。

【声優陣は…】

あと主人公の声優やってる志尊淳さんの声質、めっちゃ小野賢章。魔法唱えるたびに「エクスペクトパトローナム」に聞こえてくるしなんなら道中「アロホモラ」とか使ってたような気がする。お母さん役の春菜さんは、声質はキャラの見た目と合ってたんだけどどうあがいても演技が棒すぎてた。セリフを毎回区切って言い切ってるからか、喋ってる感が全然なかったです…。城田優に関しては、ノーコメント。あいつが出てきて良いことない。

前半兄貴に腹立って、後半弟に腹立つ映画でした。

ありがとうございました😆

終わり良すぎて悪いとこ見えなくなる【ソー:ラブ&サンダー】ネタバレ感想‼️

ソー:ラブ&サンダー、観ました。

ネタバレ注意です〜っ⚠️⚠️

【聞いてたより悪くなかった!】

今回はコメディ過多とかって評判聞いてたのでワイティティ監督の悪い方の癖が出ちゃったかと思ってたら、後半でトーンが暗くなるからあえて前半は明るくやろうっていう、当たり前体操の一部にも含まれてるぐらい当たり前な演出をやってるだけでビックリした。 前作のシリアス部分を次作で壮絶にイジり倒すのとかマーベルシリーズの個性のひとつだし、今回の後半戦のシリアスさとかクオリティの高さからしても前半は遊んでくれた方がバランス取れてると思う。

【ただ、まぁまぁまぁ】

ただ何がいけなかったかって、ギャグの数々がド派手にスリップして頭抱えるぐらいの転倒 繰り返してる事ですよね。ギャグがただギャグのまま終わっていくので、ヤギは吠えるだけだし、ゼウスははしゃぐだけでそのキャラクターを好きになるキッカケになってないのが残念。ソーが両足開いて、左右から迫る敵を止めて表情筋に物言わせて怒り狂うのとかめちゃくちゃ面白かったので、誰がやるギャグかにもよるのかな。 メインストーリーだけで話進めると【インフィニティウォー 】とか【エンドゲーム】みたいなエグいテンポになっちゃうと思うので、なんとか寄り道したりキャラの深掘りしたりして絶妙なテンポ感で進めてるんだろうな…。【マルチバースオブマッドネス】はその辺個人的には大失敗してた印象だけど今回はかなり成功してたと思う。

【映像磨きすぎて刺さる刺さる】

トニーで描けなかった娘を育てる父親って配置をすかさずソーに付与してたラストも流石だし、映像観てるだけで堪らなくなるCGクオリティの高さも圧巻。影の国だっけ…あそこに到着した時の色が無くなってモノクロ映画みたいになるあのアイデアほんとに素晴らしいし、そのうえモノクロ映像が美し過ぎた。おれのなかに眠るあらゆる種類の汚れが浄化されるレベル。

【クリヘムVSクリベル】

それにしてもクリスチャンベールの演技が凄かった…。ビジュアルのインパクトもさることながら、一挙手一投足のリアリティが段違い。顔の動かし方とか体の操り方だけでキャラクターの重みが増し続けるのスゴいです。その上でちょいグロテスクな演出を上乗せして容易く命を奪うような悪役に育てていくのも恐怖感が増してとても良かった。サノスとはまた違う恐怖感でソーを追い込んでく感じ、いい悪役だったー。

【まとめる〜】

ストームブレイカー等の武器がペットみたいになるキャラクター化とか、ハンマーがバラバラになってたぶん戦闘になるとまたバラバラに分かれて広範囲に攻撃出来る仕様とか、ところどころに光り輝くアイデアの広げ方があって今回も面白かったです。インフィニティコーンみたいな遊びとか、アスガルドに観光客誘致みたいな世界観が毎回当たり前になってるのも面白いなー。終盤の子どもたちにパワー与えてみんなで戦うのも良かった。子ども巻き込むの怖いわー…と思ってたら雷神パワーで無敵になってたので、ギリギリセーフ。子どもが無邪気にモンスター倒しまくってる絵面が面白かった。 ラッセルクロウパートあたりまではテンポの遅さが難に思えましたが、全編通して考えると許容範囲だったかな。キャラの個人シリーズならこのぐらいのテンポでも十分楽しかったです。

ありがとうございました😆

宝物はおっさんでした…✨【トレジャープラネット】ネタバレ感想‼️

【トレジャープラネット】観ました。

ネタバレ注意です⚠️⚠️

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【おまえ、ターザン?】

ターミネーター2】のエドワード・ファーロングを彷彿とさせる、主人公ジムの 横を刈り上げて前髪垂らすあのヘアスタイル、めちゃくちゃカッコよかった。
ただあの、顔のパーツなんですが…幼少期も含め マジでターザンにしか見えねぇ。。
【ターザン】を知らない人に見せたとしても確定で「ターザンだ…。」って言うレベルにそっくりさんでした。カッコいいから別にいいんだけども。

【おまえ、ワンピース?】

鑑賞中、"ナサニエル・フリントの財宝が宇宙のどこかに眠ってる"だとか、コックとはいえ明らかに風格がラスボスしてるジョン・シルバーやら、どうしたってチラつく【ワンピース】の影にずっと悩まされてた。物腰が軽すぎて逆に怪しいシルバーは初期の黒ひげにしか見えないし、ジムのソーラーボードはエースの小舟に見えてくる。というかディズニーの絵柄とワンピースの絵柄ってほぼ同じなので、あれ…?…おれずっと【ワンピース】見てた……?

【需要があるのかよ】

いくら荒くれものとはいえ、人に雇われてんのにその雇い主の身内であるジムを平気で殺そうとするような間抜けなクルー、どのみち使えねーだろ、シルバーさん…とは思った。
この点に関しては、そもそもなんで身内の博士が雇った船なのに 主人公がほぼ強制的に下っ端扱いされてんのかが全く理解できなかった。アメリア船長のふんぞり具合もよく分からないし、デルバート博士が船長と良い雰囲気になってく展開に 少しでも需要があると勘違いした作り手の読みが理解できない。これはもうハッキリと言うんですが、ねーよ。

【こうしたらどうですか❗️】

なのでいっそ、博士の存在もアメリア船長の存在も無くして、主人公が他人の船に乗り込んでトレジャープラネットを目指す作りでよかったです。
そしたらその船が悪いやつらの船で 主人公は持ち前のイタズラ気質を駆使して悪い奴らの船に馴染んでいく。で、その船の船長シルバーに活躍が認められて、主人公は彼を父親と重ね始め、シルバーは死んだ自分の息子と主人公を重ねていく。
どうせならシルバーにも亡くした息子が居て、そのせいでジムを敵視できないっていう設定にして欲しかったなっ。そのうえで、息子を助けられなかったのは腕を切られたせいってことにして、今度こそ この腕で主人公を助ける!っていう熱いラストにもできたかも。

本気でこのぐらいシンプルな作りにしてくれてたら、主人公とシルバーの描写だけに時間割けるし 宇宙海賊たちの冒険も、敵とのバトルも描ける。主人公の個性って"悪ガキ"だったわけで、それがいきなり船の下っ端にされてたら個性殺されてるようなもん。もっと主人公が暴れる作りにして欲しかった。うー。

相棒かと思ってたあのロボットとかほんと要らない。残り40分とかでようやく出てくるので もうそこから友情育むのは無理あるし、あのロボットのせいでモーフの影が薄れる 薄れる。モーフとロボット、どっちかでよかったよ!!

【目的に向かってなかった】

全体的にトレジャープラネットにたどり着くっていう いちばんの目的に向かってほとんど進んでなかったのが残念。ダークホールから逃げるとか、宝の地図を取り戻すとか、小さい目的はあったけど場所が動いてないから 全然トレジャープラネットに近づいてない感じがずっと勿体なかった。とか思ってたら反乱起こされて船から逃げてたら、目的地に着いてました。コレ、船に乗ってシルバーと仲深めてただけで宝にたどり着いたようなもんダロ。目的地へのたどり着き方が地味すぎでした。お願いだから【ワンピース】はこんな終わり方しないで下さい。

劇中歌とか、音楽なんかはかなりカッコよくて頭に残る出来だったんだけどなー…。

悪役には珍しい、善意が揺れ続けてるシルバーの造形は いま見てもかなり斬新で面白かったし、主人公ジムのビジュアルもかっこよくて好みでした。逆に言うと、良かったのってそこだけなんですが…!

 

ありがとうございました。

キャパを凌駕する暴力描写に隠されてた伏線にビビる【猟奇的な彼女】ネタバレ感想‼️

猟奇的な彼女】観ました。

ネタバレ注意です⚠️⚠️

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【キャパを凌駕する暴力描写】

掴みやばい、中盤きっと忘れる、結末めちゃ好き。

彼女と靴を履き替えて歩くみたいな2人だからこそできる挑戦の日々は刺激的で楽しそうなんだけど、時折見せる暴力の一面が、コメディを凌駕しててビックリする。

なんらかの障害残りそうな手数になってるので、炭酸どころか針千本飲まされるぐらいの刺激の強さしてました。公衆の面前で、大声あげたり顔面ビンタし始めたりするのはヤバかった。あれはただの痛いカップルでしかないので観客に感情移入させるキャラとしては、だいぶミス。

【癖がバレる可能性】

とはいえそのへんスルーして観れちゃうのは、髪のかきあげ方が【ヒコロヒー】の姉妹かと思うほど瓜二つなあのヒロインのビジュアルのおかげ。

愛嬌の度合いが絶妙で、絶世の美女ではないんだけどなんか一緒には居たいなって思えるバランスしてるのがすごい。

とはいえドMでもない観客が観たもんなら拒否反応凄そうなので、この映画には、作品が好きか嫌いかでドMなのかドSなのかがバレてしまうというリトマス効果があることが判明しました。批評するときはみなさん気をつけましょう。

新海誠味に包まれる】

終盤、主人公が老人になったように見せかけて実は映してる人が変わってただけみたいな、時間経過の騙し方が好きでした。

若干混乱したあとで事実に気付かされるのが楽しい。

これ系のすれ違いストーリーが全部【君の名は。】に見える病気にかかってるんですが、電車の外と中ですれ違うシーンはさすがに「新海さん、この作品大好きなの…?」ってなる。偶然で、ここまで描写が一致してたらすごいなー。きっとおなじ流派の人間に違いない。

【伏線すごかった】

ラストは努力の末に与えられた幸運らしいけど、亡くなった息子のいとこだったって結末、全然努力ってほどじゃなくないか?と思いました。ようやく主人公がおばさんに会いに行っただけで。

ただこのおばさんの伏線が、冒頭、おばさんが一人息子亡くして寂しがっててその息子が主人公にそっくりって所までしっかり情報出してたのには驚きました。開始3分の時点で速攻ラストに繋がってたのか。時間が流動し続ける映画だからこそ出来る速攻の伏線だった。漫画とかでやると、読み返されるから出来ないやつ。

【まとめ】

あまりにもフィクション過ぎる結末だけど猟奇的な彼女の存在がずっとこの作品の中にフィクションらしさを保ち続けてたので、すんなり受け入れられるオチでした。逆にあのぐらいの奇跡が起こってくれないと結末が切なすぎるのでコレで良し。

映画の重要な掴みが、ヒロインの壮絶なゲロシーンだったのは全然良しじゃない。


ありがとうございました。

ラヴィットの盛山イジリを、リリーが受ける映画【イーグルVSシャーク】ネタバレ感想‼️

【イーグルVSシャーク】観ました。

ネタバレ感想です⚠️⚠️

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ナポレオン・ダイナマイトでしかないんだが…】

バス男改め【ナポレオン・ダイナマイト】を観てるどころか、敬愛してる身からすると、主人公ジャロットのひとつひとつの仕草、会話においての思考回路、目的を叶えるための方法に至るまで、頭の先からツメの先まで ぜんぶの要素がナポレオンそのものでしか無くて、どういう楽しみ方すれば良いのか分からないまま映画が終わってた…。今作が【ナポレオン・ダイナマイト】の2年あとに公開してるってことを考えると 作風をパクってるなんてことは無いと思うので、まじで海外にはナポレオンみたいな人物像が存在してるのかな…。こんな個性的なキャラクター造形が被るなんてことがあるのか。ただ、ジャロットとリリーが 出会ったその日に一夜を共にするみたいな描写が当たり前のように入ってくるあたり、恋愛部分の作家性だけは天と地ぐらいの差があるので この辺タイカワイティティっぽいわーって思いました。ジャロットとリリーのビジュアルからは、まったく予想も期待もしてなかった恋愛遍歴がポンポン飛び出してきてビックリ。おれ、お前らとは友だちになれねぇヤ…。

ナポレオン・ダイナマイトとの違い】

観てるあいだ、ずっと【ナポレオン・ダイナマイト】の個人的評価がグングン上昇してたんですが、この2作の大きな違いって、ナポレオンの場合は 他者に乱暴な態度を見せても その相手が自分の兄貴とか叔父とかイジメっ子なので 面白く観れるんだけど、今作の場合は、ジャロットが乱暴な態度を向ける相手ってだいたい女性のリリーだから、主人公の乱暴さが個人的にかなり怖く映って、面白いっていう感情にはなれなかった。ナポレオンと違ってジャロットは学生でもないので、個性的どころか、もはやDV男に見えてくる始末。顔もめちゃくちゃ一切遠慮せずに渾身の力で女性ぶん殴り顔だしな。

【ラヴィットのイジり方】

なんとか最後まで観れたのは、リリー役の女優さんのキョロキョロっとした大きな目がキュートだったから。目の動きだけで感情が伝わる表現の可愛らしさが、今作においての数少ない印象に残った点でした。序盤の、辞めてもらう店員のくじにリリーの名前しか入ってなかったの、朝の大喜利番組【ラヴィット】での どんなくじ引きのときも見取り図の盛山さんだけが卑怯なスタッフ陣にまんまと陥れられる、あのイジリでしか無くて笑いそうになったんですが、追い討ちのように 相方の名前がリリーさんっていうミラクルに気づいて、さらに面白かったです。【ラヴィット】観てる人に伝われ…✨

【まとめるー】

ジャロットの家 到着ぐらいからは、そろそろジャロットのナポレオン感にも飽きてくるし、リリーがだらだらジャロット家に居座ってる期間も退屈でヤバかったです。オチも前振りが長すぎて弱い。あそこまで考える時間を与えられると、復讐相手が幸せな家庭築いてて 自分の娘と一緒にやって来るパターンか、ケンカどころじゃない状態になってるかのどっちかのパターンかなって察してしまう。復讐相手は ちゃんと娘を育ててる良い父親になってるのに、自分は一体なにしてたんだ……っていうパターンの方が、ジャロットと娘の関係性も深掘りできるし、そのままリリーと夫婦になって、そこに娘も加わる…っていうところまではなし広げれたのにな。ちょっとリリーが娘と接してる分、もう一歩そっちに展開が伸びていって欲しかったところです。

招待状のクオリティまで、絶対完全【ナポレオン・ダイナマイト】でした。

ありがとうございました。

エルファニングは白米【スーパーエイト / スーパー8】ネタバレ感想‼️

【スーパーエイト】観ました。

ネタバレ注意です⚠️⚠️

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【掴みのおかげでなんとかなってる】

予算を湯水のようにつぎ込んだであろう、東京ドーム何個分?みたいな規模の列車衝突シーンのド迫力な掴みでこころ鷲づかみにされて、青春映画の皮を被った「大事件への丁寧な前振り」を楽しんでたら、その大事件がちゃんと盛り上がる前に主人公たちが裏で事件解決しちゃって、爆発がいまひとつ起こらずに終わっちゃう映画でした。高まった期待感が家の天井に頭ぶつけて、行き場を無くしてます。列車事故からの▶︎逃げ惑う子どもたち▶︎撮影カメラがコトンっ……▶︎カメラだけが現場の方を向いてギュルルルル……って撮影し続けてるっていう、この激流のようなテンポの良さとタイミングは、誰もが「名作がハジマルヨ…」ってなると思うんだけど…。

【エルファニングは白米】

公開当時はダコタ・ファニングの妹でしかなかったから、どうしてもお姉ちゃんと比較してエル・ファニングを見てたんだけど、いま見てみるとただただ「可愛い…」でしかなくてビックリした。ダコタ・ファニングが積み上げてきたキャリアを平気な顔して超えていく存在になるとは当時まったく思ってなかったけど、いま見るとダコタちゃんとは違う魅力が確かにありました。ダコタちゃんの場合、女優に転生したメリケンサックかと思うほど顔面の攻撃力が強いんだけど、エル・ファニングは女優に転生した白米ですから、なんか白くて儚いし、どんな作品にも馴染むから強いんだなと思った。

【1人変なの混じってるな】

数年ぶりに観たんですが、自分の記憶力が心配になるぐらい男子グループ5人のなかの1人だけ まったく顔に覚えのない子がいたんだけど、案の定 全編にわたって明らかにひとりだけ個性削ぎ落とされてるし なんなら最後らへん文字通り置いていかれてて散々でした。そもそもあのグループ、男子4人に女子1人を入れた5人組でよかったよ。なんだったんだよあの子。かわいい主人公、小太り、出っ歯、のっぽっていう完璧なキャラデザイン4人衆の中におまえが入っていけるわけがないだろ。どうしてエキストラを主要キャラの1人にしたんだよ。調べたらあの子、元俳優になってたよ。原因はコレだろ。

小太りの子がモテる主人公に対して「好きな子奪いやがって…」ってなるの、当然のリアリティで好感持てたし、あの子が高嶺の花であるエル・ファニング誘ったことにちゃんと理由付いてたのも良かった。恋愛感情のない、ただのコメディキャラクターじゃないの好きでした。

【まとめるー】

ただこの宇宙人襲来ジャンルの映画って、前振りの面白さだけを武器に攻めてきて、終盤になると急激に話をまとめに掛かってくるの厄介だな。【宇宙戦争】しかり。キューブのデザインやら、ものが宙に浮くとかの、大規模じゃない、おつまみ感覚のファンタジーは大好きですが。

主人公とヒロイン両方に父親との確執があるんだけど、正直どっちの家族も事件が解決したことに便乗して親子関係修復した気になってるだけにしか見えなかった。父親と不仲▶︎父親とケンカ▶︎宇宙人帰国▶︎子どもが無事で良かった…。っていう展開でしかなかった。

エンドロールで劇中劇を見せてくれることで、ちゃんと作中で映画作ってたんやな…って、変な角度から感動させる作りしてたのも好きでした。おまけみたいだった映画作りの要素を、最後の最後に力技でねじ込んで消化させてました。あの短編自体オチとかちゃんとしてるし、結構長尺なので見応えあった。

9割が前振りみたいな映画なので、軽い気持ちで何度も見返せるのはいい点。

ありがとうございました。