映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

【惡の華】映画版、つまんない!つまんない!つまんない!

原作漫画 全11巻分を映像化っていう時点で なんとなくこうなることは分かってましたとも。はい…。 なんでこんなにも分かりやすい2部構成の漫画を、1本の映画にまとめちゃったんだろう…。

映画スタート時点では、原作の後半から始まるような構成に、「あら〜 いいんじゃないの、これは。」などと思っていたのも束の間。 惡の華 屈指の名シーンであり 映画の掴みともなる超重大なシーンが、「嘘をつくな」と言いたくなるようなデキ。

名前呼ばれても ボーッとしてる春日くんは まぁ分かる。 でもなぜ仲村さんまでボーッとさせたのか。 春日くんも仲村さんも、どっちもボーッとしてるので 先生に2回名前を呼ばれるシーンで 仲村さんがめちゃくちゃ目立ってる。原作読みからすると いきなり意味が不明。 春日くんが佐伯さんに見惚れてると モブみたいな仲村さんが出てきて、突然あの一言っていう緩急が全く無かったのがファンとしては いきなりのショックでした。 玉城さんの目力演技が凄かったので尚更。

映画自体にしても、展開の連続が過ぎるので 全くドラマがない。人間の感情を感じるシーンが無いんです。緩急の急だけで作られてるみたいな印象。この辺 ドラゴンクエスト ユアストーリーを感じるような超テンポ。

第一部と第二部で 独立してるような原作なので、どちらにもちゃんとした山場があるのに一本の映画にしたことで全然思い入れがないまま その山場が訪れ、もうホントに ただの変な映画になってます。 もうほんとに深夜の30分ドラマ枠でめちゃくちゃしてくれたら、どれだけ嬉しかったことかぁ。

変なことを真剣に扱ってる作品なんだから、マジでただの変な映画にならないように気を使わなきゃいけないのに、2時間でまとめようとするからテンポがバカ早く、キャラクターが掴めないまま 置いていかれ、れっきとした変な映画になってた。

特に、春日くんの変化があまりにも急なのが痛い。 仲村というキャラを受け入れ、彼女に影響されるには何よりも時間がいる…。 春日くんはこの作品で唯一、異常な仲村さんに立ち向かい 受け入れていくキャラクターだから、彼の観客目線は絶対必要なのに、いちいち台詞が「うわぁあぁああ!!」とかばっかりなのでホラー映画の空気感。原作からして「うわぁあぁああ!!」ばっかり言ってたような気もするけど 字面と音声の違いは大きい。まるで正常な感情を持った人間には見えない春日くんの姿は、原作ファンには辛いものがありました。 だって惡の華初見の人には、仲村さん以上に春日くんがヤバい人に見えるはず。 いたって普通に見える春日くんを、仲村さんだけが異常なものとして扱っていくなかで本能的な部分が出てくるっていう過程、全部吹っ飛ばして春日くんがおかしい演技してるんだもの。 雨降り半裸シーンなんて ショーシャンクの叫び方するから特にやばかった。感情の脈絡が行方不明。原作に比べて変なやつの受け取り方が違う。原作の春日くんは厨二病の痛いやつだけど、映画版の春日くんは完全にサーコパース。サーコパスのなかのサーコパス。

【圧倒的に可愛い佐伯さん】と【あまりにもヤバすぎて可愛いとか可愛くないとかそういう問題じゃない仲村さん】っていう原作の確固たるイメージが、この映画だと【あまりにも可愛すぎてヤバイとかヤバくないとかいう問題じゃない仲村さん】になってた。可愛い成分も、ヤバイ成分も 玉城ティナさん 1人で担ってるので、ヒロインがあと2人いたことに誰も気づかずに映画が終わる。 そのくらい 玉城ティナ: 状態【無双】になってた。貞子も伽倻子も恋するレベル。

もうこの映画で残念だったのは、 佐伯さんの魅力が 原作と違い過ぎたこと。 仲村さんのビジュアルがちょっと良過ぎること。 春日くんの感情変化のプロセスがめちゃくちゃ雑なこと。 なんとかまとめようと展開を短い時間に沢山入れ過ぎて、ドラマ部分が雑になってたことです。

ラストの海辺の下りに至っては、下手な人が作ると ここまでグダグダ感が出るのかとびっくりしました。 原作 押見修造の才能に気づかされる。 あれが完璧な映像化です、押見先生。

後半も含め、玉城ティナさん演じる仲村さんは( 綺麗過ぎるってことは置いといて… )叫びもビジュアルの空気感も 凄い再現度だった。仲村さんだけでこの映画に余韻が生まれてるし、ちょっといい映画だったな、なんてと 思ってしまう可能性まである。

父親、母親などの脇役に もったいないほど名のある役者さんを使ってたのはちょっと残念。押見修造作品の脇役なんて 見たことない役者さんが演じるのがいちばんハマるに決まってますから。

あと、仲村さんに似てる常盤さんっていう設定なのに顔の濃い玉城ティナさんと、顔の薄い飯豊まりえさんをチョイスした人すごい。ほんとすごい…。 広瀬アリス水野美紀くらい似てないと困ります。ピコ太郎と古坂大魔王北村匠海大谷翔平くらい似てないと困る。 ちなみに、飯豊ちゃんは本田翼と同じ系統の顔だと思ってます。はい、かわいい。 とにかく、映像化に関してはアニメの方がいい。 しかし結局は、漫画がいちばんの惡の華でした。 惡の華は永遠のバイブルです。

後半の伊藤健太郎鉄コン筋クリートのクロ。

【劇場版 光のお父さん 】チープの波間に光るもの。

 

光のお父さん」を鑑賞しました☆

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ところどころ めっちゃチープな話入れ込んでくるし、ゲーム画面は けっこう荒いし、ドラマ版と大差ないのに、なぜか 泣きそうになるラスト。終わり良ければ全て良し。そういう作品に仕上がっていました。

 

お父さん役が吉田鋼太郎さんなんですが、ドラマ版の大杉漣さんがハマり過ぎてたので なかなか慣れなかった。。。けども最後のバトルシーン、盛り上げ方とお父さんの現状とか考えるとあまりにも面白くて笑うしかなかったです。これもうバトル映画としても最後死ななきゃいけない奴の演技やんか、鋼太郎さん、ええ声……。

改めて、

ドラマ版の大杉蓮さんがゲーム内だとちょっと声高くなるのとか好きだったなぁ…なんて思い出しました。

 

そして言っとかなきゃおえんのが、佐藤隆太出てくるシーン全部 手を抜きすぎだろうが問題。なんなんだい、あれは❓

エピソードとしてもお茶漬け自体の関連性があまりにも無さすぎる。お茶漬けを出すことが先に決まってて、頑張って後からエピソード作ったみたいになってたよ。エピソードのためにアイテムとして出すのがお茶漬けだぞ、普通。

実話を基にしてるとこういうところ無茶苦茶になるのが嫌ですね。そんでもってその原作自体にお茶漬け 影も形も出てなかったら さらに嫌ですね。


彼女的な立ち位置で登場する佐久間由衣さんの役柄はどー考えても使い道ほかにあっただろと思うしかない、見えない虚無を絵に描いたようなキャラクターで、もはやアレならあのキャラクター出さずに違うエピソードに時間割けたろと思うレベル。どういう意図で出したキャラクター?「どこにいても会える」っていうテーマならもう、ラストの親父と息子だけで成立してるので彼女とか要らないし、小1時間 真面目に考えたとしても彼女の必要性が皆無。ちょっと、ほんとにわからない。

佐藤隆太が製作側から結構鋭利なもので精神的にブスブス刺されてるのは手に取るように分かるんだけどな。あんなものを見せられたら、佐藤隆太と製作側に激しい摩擦があることを疑わざるおえないし、それにしても酷すぎるだろ佐藤隆太出演パート部分の全て。よく出たもんだ佐藤隆太

 

坂口健太郎、可愛い顔して首から下ぜんぶ強化人間みたいな身体してて、ちょっと頬を染めた。ギャップ萌え。なんなら鋼太郎にもちょっと萌え。

ギャップの大切さ分かってるっぽいのに、舞香ちゃんにはイメージ通りの口が悪いキャラクター演じさせてるのは残念でした。清楚系の人に悪口キャラさせてみよう、それだけできっとちょっと面白くなるから。吉田鋼太郎にツバ吐く、はいだしょうこが見たい。

 

ありがとうございました。

 

 

 

【岬の兄弟】岬にて、何に手を伸ばす❓

「岬の兄弟」を観ました。

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人間、ほんとに追い詰められてると行動を制限する足かせが取れて、やっていいコト悪いコトの線引きが見えなくなりなんでもやっちまう。そんな地平の違う生き方をしてる主人公の行動全てが、僕の目には軽度の知的障がいを抱えているようにも写ってしまった。

1から10まで お金を目的に生きてると、その人間の目はあんな風に映るのか。。

 

この作品けっこう演出がうまくて。

物語上、最初にして最大の絶望のあと、それによって稼いだお金でマックのハンバーガー買って食べて。

さぞハンバーガーが美味しかったんでしょう、その喜びで テンション上がって 家の窓に貼ってたダンボールベリベリに破り捨てて、家の中が光で満たされるシーン。いや全然希望なんて見えちゃいないのに主人公にとっては絶望にやっと差した光だったのか、眩しいくらいの明るさが主人公たちの生活を照らしてしまう。

 

着実に展開を積み重ねていく前半がしっかり上手なので、結構時間かけたかなと思ってたら案外短くまとまっていたのは好印象。

こんくらいの長さでちゃんとまとめてる映画が好き。

 

この映画の設定上、残酷がエスカレートする展開この先に待ち受けていやせんか?…と思いきや、相手もなかなか問題を抱えている場合が多く、

●いじめられている少年

●妻を亡くして孤独死しそうな老人

●身体障がい者の男性と

あえて嫌な予感を取り除く決死の布陣に、製作側による意図的なコントロールを感じざるを得ませんでした。「こっから何か読み取れ」と言わんばかりの演出が、映画好きのスイッチを上手に押してくれます。これはもはや親切設計。「マイナス要素だらけの人たち…。臭うな。。」ってな具合。

主人公たちの問題だけを描くなら 主人公たちを中心にして もっと酷い展開を作るだろうけどもどうやらそうじゃない。

この人達から漂うなんとも言えない空気。主人公たちだけではなく、マイナスを抱えた様々な人たちの問題に、観客の視点や目線を向けさせようとする監督の強い意図を感じました。

 

ところどころの何気ないシーンも実に豊かで、

壊した貯金箱をテープで直してまた使ってたりする。

しあわせな夢を見たあと、主人公がただ水を飲むシーンにしても水をお茶碗に入れてるってだけでそのシーンの重さが全く違う。あまりにも哀しくて哀れで胸が痛くなるシーン。

また…やりたい?って聞くシーンも やけに綺麗すぎる空との対比が効いてて なんだかなぁ… 哀しみの描写が上手い。、

妹がお風呂入ってるシーン から お風呂から出て兄貴と喧嘩するまでのシークエンスも、あのシーンがあるだけでその場の真実味が増す。

怖いもんなし、文句なしの文字通り裸の演技。

安藤さくらさんを彷彿とさせる佇まい、声のトーンと演技力を持った妹役の和田光沙さんは 演技が上手いというよりかは表裏のない、真正面からの表情で、ただただそこにいるような嘘のない演技力でした。

安藤さくらさんを柔らかくした様な可愛い表情がたまに出るな と思ってたら、突然 室井滋みたいなリアリティの顔出してくるのも素敵。さくらさんと室井滋を、足して2で割ったようなひと。素敵。

 

主人公はMOROHAのボーカルが歌という概念消されて、その弾みで熱い心も同時に失ったような顔した松浦祐也さん。時折見せる 無表情なときの顔がめちゃくちゃ良かった。

ただの汚いヤバイ変な人ではない顔。

まぁ、ただの汚いヤバイ変な人なんだけど。

 

設定上、目をかっぴらかれて あれを見せられるような もっとリスキーな展開を予想してしまうけど 意外とそうはならないので、「なんだ、結構大丈夫な映画だな」と思ってしまう自分に驚く。いやいや、これめっちゃやばいから。次々エロくないヌードシーンでてくるし、全然ファミリー映画じゃないから。自動的に万引き家族をファミリー映画に昇格させてしまうみたいな特殊な能力持ってる映画だからなこれ。

 

これ以上やばいと 園子温で、

これ以上優しいと 是枝裕和

 

まりこを見つけたのにも関わらず、主人公が手を伸ばすのは鳴る携帯電話の方という、さまざまな見方ができるラストシーンには他のシーンにない力づよさがある。

その岬のさきには何があるのか。これから先、まだ彼らには深い海が待っているのか。崖から落ち、無事だったとしても そこは海。"岬"とはあまりにも残酷な舞台だった。

 

最初妹を車に乗せてきてくれた人、ラストアライランスのボーカルかと思ったらナガセケイさんという方でした。

すみませんでした。頬こけてる人、好き。

【レスラー】俺が俺であるために。

 

名作と名高い映画、「レスラー」を鑑賞しました。

 

望んで手を伸ばしたもの全てを失ってしまった男が、向かう先にはー。、

レスラー [DVD]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2013/07/02
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愛する娘、愛する女性ー、そして新しい仕事。

あらゆるものが レスラーという職業を辞するための ある意味 希望として、手を伸ばせば届くような位置にあるのにも関わらず、レスラーとして歩んできた人生での振る舞いや態度によって、やはりその全てを手にすることができないというとびっきりの皮肉。

当時のミッキーローク自身とも そういった痛々しさをはらんだキャラクター像が重なったことで、まるでドキュメンタリー映画のような印象を与える作品。

 

最後の舞台に上がるまでの主人公は、ほんと「おいおい お前なぁ……」っていう あかん方 前のめりに進んでいくタイプのキャラクターなので 共感とかってしづらいし、ダーレン・アノロフスキー監督は 自分の作品に出てくるキャラクターへの愛が完全に歪んでるとしか思えないくらいに みんなひどい目に合うので今回もそれ系…?なんて思いましたが、ちゃんと主人公的には華のある最後として描かれていて、ほっ。

 

観客やレスラー仲間には こんな凄い男はいねぇ!って思われてんのに、大切な人たちにはそのレスラーとしての人間性によって 距離を置かれてしまうっていうのがめちゃくちゃリアル。レスラー状態のミッキーロークはめちゃくちゃハマってるんだけど、社会人状態のミッキーロークの 地に足ついてない感は異常。社会に馴染めてないっていうのを 説明なしで伝えてくる圧倒的にやばいビジュアル。どう考えてたって家のなかに入れたくないし、なんなら家の前にも立ってて欲しくない。娘がミッキーロークパパを頑なに嫌がってるのにも うなずくしかないレベルでヤバイ。

娘にそんな態度を取られたミッキーロークパパの気持ちも、しかし分かるんだ…。優しいんだもん、ミッキーロークの瞳って。泣いてるんだもん。瞳の奥で。めっちゃ ちっちゃいミッキーロークが。

そういった細かい演技が、主人公ミッキーローク改めラムの、レスラーとしてではない、人間としての葛藤を浮き彫りにしていく。哀れな姿が妙に似合うミッキーロークでした。

 

スーパーの売り場に出る手前で、プロレスの舞台に上がる前のカチンコの音がキィィーーン……って響くのとか 演出としてあんまりにも上手くて、伝えんとしてることが明確。とにかく分かりやすいし インパクトもあって、とても印象に残るシーン。

 

あと、マーベル版のスパイダーマンシリーズでもお馴染みのメイおばさん役、マリサ・トメイがめちゃくちゃ過激なキャラクター設定を付けられててビックリしました…。そんなキャラじゃなくて良かった気もするがな。。でも、良かったな。。

「どんな映画みてても、マーベル映画 出演俳優1人は出てくる説」ってヤツですね…!

 

観る前のイメージとは違い、あくまでも彼は彼へのケジメとして最後の舞台に上がるっていう展開が あまり記憶にない流れだったので、こういった物語の終わり方ってのもあるんだなぁと勉強になりました。

ハッピーエンドにもみんながハッピー系と、

周りのみんなには迷惑かけて傷つけてきたけど 、自分自身=レスラーという人生においては、ちゃんと観客を満足させて幕は下ろしたぜっていうハッピーエンドの形もある。

もっと終盤に向けてこの主人公に感情移入できたら良かったんだけど、まぁ展開としても、テーマとしても、頑張って主人公から全ての希望を奪わないといけないから、こうなるのも必然なのかな。さすが、ダーレン・アノロフスキー。一切の躊躇なく、我が子を谷底に次々と突き落としてゆきます。しかも 流れ作業のように手際いいから、同じ職場の人たちはちょっと恐怖感じてダーレンから距離置くし、なんならダーレン みんなから距離置かれるの 楽しんでるから、めちゃくちゃ笑顔。ストレスとか感じたことないし、自分が観客に結構なストレス与えてるとか今後も一切考えることはない。しかしそれでこそダーレンだ。

 

ダーレン監督の「マザー!」っていう映画も、最高でしたよ、みなさん。どうですか。

マザー! (字幕版)

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  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: Prime Video
 

リンクを貼っておきましたよ。みなさん。

みなさん、どうですか。

みなさん。最高でしたよ。みなさん。

 

途中途中、プロレスの裏側というか「おれがこう殴るから おまえはこう返してくれ」みたいな、エンターテイメントとして ちゃんと魅せるための打ち合わせシーンをはじめて見たので、映画のシーンとはいえ とても新鮮でした。やっぱり そうなんだ!っていう喜びですね。そういう感情が湧きました。

それで 試合が終わった後、体に入っちゃったガラス❓とか、怪我を治療してるシーンは本物にしか見えなくて痛々しかったなぁ…。

レスラーって凄いなぁ、と ストーリーとか関係なく思ってしまう リアルな映画でもありました。



 

【ターミネーター2】〜オカンとボクと、時々、ターミネーター〜

ターミネーターに続いて

ターミネーター2も鑑賞しましたので、感想。

 

もはやネタバレしかしていないので気をつけて⚠️🚨

 

まぁ これに尽きるんですが、シュワちゃんがカッコ良すぎて惚れる。例えるならベルセルクのガッツみたいなカッコ良さ。筋肉隆々、傷は男の勲章とか言ってるやつはひねりつぶして、そいつから溢れ出した血で出来た水たまり使って、傷ついた体を洗い流すような男の中の漢。

顔半分 血だらけ、ぐちゃぐちゃになってるのにマジでカッコいい。血も滴る男の中の漢。

 

今回は1作目と違って、名場面ってものを製作側が完全に理解してしまっているので、技術力にもの言わして自力で名場面作り出してる感がすごい。どこもかしこも名シーン。どないやこれ。

確かに、CGに古さを感じる点が ないといえばあれなんですが、どう考えてもいまのCGよりひとつひとつを必死で作ってる分 アイデアがめっちゃ面白いし、印象に残るものがとにかく多い。CGを無駄にしてないというか。CGでなんとかごまかせ!とかじゃない感じ。好き…。

 

で、驚いたのが ターミネーター2も無印と同じくはじめて観たもんで まさかまさか開始30分で 自分の顔より見たことある超有名なトラックのシーンが出てくるとは思ってなかったし、1に比べて展開の詰まり方が凄い。

1であんなに人を殺しまくったド畜生 オブ ド畜生、どうあがいたってお前なんか好きになるかい部門ターミネーターの部、第1位のアーノルド・シュワルツェネッガーを、見事としか言いようのない方法で、ほんわか した優しくて頼りがいのあるおっちゃんに作り変えたのすごくないですか?

エドワード・ファーロング演じるジョンコナーによって人間性を教え込まれ、まさかのおじさん成長ムービーに昇華させるとはいったい何事?どゆこと?そゆこと?こゆこと?

しかも、それによって 小生意気なファーロングにキャラクターとしての立ち位置を与え、めっちゃ強いターミネーターには可愛らしいギャップを与えることで、ギャップ萌え属性まで付与。まじで隙がありません。やっべーよ。もうやだ。なにこれ? もう、すごいな!

 

機械によって訪れる世紀末を目前にして、ターミネーターと人間の絆のようなものを、その2人の姿を通して見せられてしまうという皮肉めいたものをハミルトン嬢が感じているシーンもまた良い。

そうだ忘れてた、ハミルトン嬢。

無印の時は 可愛いが迷子になっていたリンダ・ハミルトンが、完全に2020年現在のカッコいいおばちゃんハミルトンと地続きの姿になってて感動しました。完全にキャラクターの位置が定まってて、ガチでカッコイイ。リンダ・ハミルトン、タンクトップ姿 似合いすぎてて、もはや あれでひとつの体という概念。

 

映画観てて唸ったのが、新型ターミネーターが檻を透過して来るシーンにおいての銃の描き方。たぶんあれだけ素晴らしいシーンだと、もう何度も議題に上がったものとは思うんですが、体が簡単に檻を通った後にカツンっッて銃だけが挟まってしまう あの描写ひとつあるだけでめちゃくちゃリアリティが増す。うわっ、銃はそりゃ通らんよな、そうだそうだ。え…、いまのめっちゃリアルじゃなかった❓⁉️っていうのを、一瞬でも感じてしまったので、完全にこの演出にしてやられたし、またキャメロン先輩に見下された。「はい、おまえの負けー。」っていうやつ。めっちゃ性格悪いで。キャメロン先輩。

ほかにもファーロング少年は鍵開けが上手みたいな、ただの悪ガキ要素みたいなのにも、ちゃんと後半で役割を与えて有効活用するような素敵な脚本です。

 

ただ、改めて こういう一昔前の名作とか観てて思うのが、何のためにその時代にこういう映画が生まれたんだってことで。機械に支配されるなよってテーマの映画がこれだけ売れて、名作として認知されてるにも関わらず、全く似たような時代が来てることが残念。エンタメ映画である以上、やっぱりこの ターミネーターの凄さの方にばかり喜びとか希望を持ってしまって、ターミネーターヤバイっていう、機械を甘く見るなよってことをちゃんと受けとれてないのが なんとも言えないよなぁー。モロそういう話なんですけどねターミネーター2って。残念でなりません…。

いやいや、終わり方 さすがに暗ぁ〜。

ターミネーター 2 (字幕版)

ターミネーター 2 (字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

【ターミネーター】はじめまして。

ネタバレの記事だよ⚠️🚨

 

人生開始して、はじめて「ターミネーター」観た。

ターミネーターといえば、

主人公を殺そうとする敵が未来からやってくるっていう当時としてはたぶん究極の超展開に、主人公補正かかってて絶対死なないような味方が主人公をその敵から守るために 一緒に未来からやってくるっていう、あらすじだけでも盛り上がりそうなストーリーに、なぜか2人とも おちんちん丸出しで登場するという お茶目な魅力までしっかりと備えた、名作になるしてなったような作品。

今回はじめて見まして、

時代は感じますが、今みても普通に面白かったです。

正直、未来から来るのはターミネーターだけだと思っていたので、別の男も未来から飛んできたときは、「いやいや。こんな流れは知りませんよ。誰からも聞いたことがない。みんなこいつの話なんてしないし、これはターミネーターじゃない。こんなやつはターミネーターに必要ない。」と思っていましたが 1時間ほどで、

「カイル・リースとか知ってますわ。名前だけはずっと聞いたことあったし。リースいないと、ターミネーターはそもそも始まらないから。ぶっちゃけこいつがストーリー始まるきっかけで、1番重要なキャラクターやし。エンヤ婆やし。」という風に、あっさりと変わっていました。

 

ターミネーターが未来からやってくる理由自体、未来でやばい奴がいるから 過去に行ってそいつの親を殺しとこうっていうこれまた、よー思いついたなその時代に(公開当時1984年)って設定なんですが、それをわりかし簡単に描いているのがやっぱりすごい。

全然ややこしくないもん展開が。

 

未来観がそこまで的外れに変じゃないのも驚き。

やっぱり機械って最終的に人を敵とみなすよなっていうのも、実際いま現在の価値観に合ってるし、妥当。

話が未来に行き過ぎてて、信じてた人ですら みんな若干引いてる「やりすぎ都市伝説」なんかよりも、さらに未来みてたようなヤベー映画。

すごいッス、キャメロン先輩。。

そりゃタイタニック作るわ。

アバターも作るわ。4作 一気に制作するわ。。

 

あと気になったのが、

一体全体 サラ・コナーという女性はどういう目線でみればいいのかが、全くの謎。

スターウォーズレイア姫しかり、

ダークナイトのマギーギレンホールしかり、

LUXのcmに出てる時のスカーレットヨハンソン

しかり。

美人としてみればいいのか どうなのかを、自分自身の美人フィルターにかけながら、作品内での彼女の扱い方と相違がないか確認する、完全に無駄な作業。

でもここに違和感があると映画の共感性に支障が出てくるので、完全に無駄な作業とも言い切れない、なんだこの作業。

しかしまぁどれだけ頑張っても、もうこの時点でリンダ・ハミルトンはカッコいいおばちゃんになる顔してるんス。顔面の未来予想図が可愛いを拒否し続けるんス。リンダ・ハミルトンはそういうものなんス、僕にとっては。

カッコイイは正義(ジャスティス)。

 

アイルビーバックの「そんな名言扱いされる?このシーン」感がすごい。英語の名言って吹き替えで見てると当たり前に全然違うから ちょっとがっかりしますよね。

ここで幕を閉じます。ありがとうございました。

 

ターミネーター(吹替版)

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  • 発売日: 2019/07/01
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ひっ…【トイストーリー4】ネタバレ

トイストーリー4、この内容で現代社会を上手く作品に取り入れて風刺したつもりなのか。最悪の結末を描いていることに制作側は気づいてないのか。

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トイストーリー4に対する世間の熱が、天気の子がもたらした雨のおかげで若干冷めたかなという状況になったので感想を書きました。

ちなみに若干冷めたかなというよりは、賛否が激しく別れる映画が短期間で交代しただけですね。どっちも嫌いでした。

ということで今から、嫌いなものを語ります。よろしくお願い致します。シャァ!


"自分をゴミだと信じ込む" フォーキー。
こどものおもちゃでいるという "自分の仕事に対して疑問を抱く" ウッディ。
ラストに登場した "なんで生きているのか分からない" フォーキーの恋人?
現代のブラックな働き方を風刺した、特に日本ではウケるだろうテーマを持った今回のトイストーリー。
予告の時点でフォーキーがそれを匂わせる発言をしていたので、そうだろうとは思っていた、ウッディがこどもの元を自らの意思によって去るというラスト。
これはつまり、自分を縛る仕事からの解放。 本当にやりたいことを追い求めるという選択。 これは おもちゃが心を持つというファンタジーを描いた、トイストーリーだからこそたどり着いたラスト。辿り着いてしまったラスト。

そもそもおもちゃは何のために存在するのか。散々作中で描かれてきたことだけど、こどもが一歩踏み出そうとするのを影から支えてあげること。応援してあげること。励ますこと。
トイストーリー4でもちゃんとボニーが新しい環境でやっていけるためにウッディが頑張って活躍するシーンがある。 おもちゃに寄り添ってこどもたちは前に進み、辛いことがあってもおもちゃがあれば…って成長していく。ゲームにしても本にしても、ぬいぐるみにしても、それが同じ娯楽としての理想形。 トイストーリーはまさにそんなおもちゃたちの影の頑張りを長年にわたって描いてきた作品だった。
しかしトイストーリー4は、そのおもちゃたち自身に現代社会の人の心を持ってきた。おもちゃにもその環境が辛いことがある、人と同じように進むべき時が来る、変わる時が来る、と。
いやいやいや、そもそもおもちゃは誰のためのものなんだって。現代社会で苦しむ人たちをおもちゃが助ける、娯楽を与えることで、人々を笑顔にするっていうのがトイストーリーじゃなかったのか。
人を助けるおもちゃが、人と同じになってどうするんだ。それをやり出したら、「トイ」ストーリーである意味がないし、ましてやディズニーやピクサー現代社会に娯楽を提供する側がそんな疑問を持つなんていちばんダメだ。

疑問を持ったとしても「やっぱりそれは違うよな、子どもたちを笑顔にするのが俺たちの仕事だよな」で終わるんだとしたらまだ分かる。しかし驚くことに、ウッディは10年以上の付き合いである仲間たちを数秒で見捨て!バズを見捨て!ボニーを見捨て!キャンピングカーを見送ったのち ピクサーの記念すべき1作目、「トイストーリー」にてバズがこれからのピクサー、しいてはディズニーの飛躍を誓うかのように放ち、現在のディズニーの実績で伏線回収をした見事なまでの名言「無限の彼方へ、さぁ行くぞ!」を、互いの声なんて聞こえやしないバズと、聞こえてるはずもないウッディが 半分に分け合い口からこぼすように弱々しく発するという考えうる最悪の中でも最も最悪なラスト。
ここがそのセリフの回収場所じゃないでしょう。行くぞもなにもウッディ、そこのテーマパークで新しい仲間と楽しくやってらぁ!なんか旅とか、、そういうやつじゃなかったし…。
いったいどこに行くんだろう。

トイストーリー」以来24年ぶりの短編なしでのスタートっていうのも、「トイストーリーから始まった物語を終わらすために今回はわざと短編流しませんでした」っていうプロデューサーの発言より、「子ども喜ばせるの疲れたから今回は自らの意思で!流しませんでした!」っていう前向きな発言の方がしっくりくるな。今回の観た後だと。
最後の最後、「なんでわたしは生きてるの?」っていう現代社会最大のテーマに、トイストーリー3という完璧なラストがあるにも関わらず描かれた今作のメインキャラ、フォーキーは 一体どんな答えを持って、この20年に渡る名作を終わらせるのかー?!
さぁ、ディズニー。無限の可能性を見せてくれ!

フォーキー「なんでだろうね」。。。

飛んでけ、彼方まで。