映画雑文 トカ

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【惡の華】映画版、つまんない!つまんない!つまんない!

原作漫画 全11巻分を映像化っていう時点で なんとなくこうなることは分かってましたとも。はい…。 なんでこんなにも分かりやすい2部構成の漫画を、1本の映画にまとめちゃったんだろう…。

映画スタート時点では、原作の後半から始まるような構成に、「あら〜 いいんじゃないの、これは。」などと思っていたのも束の間。 惡の華 屈指の名シーンであり 映画の掴みともなる超重大なシーンが、「嘘をつくな」と言いたくなるようなデキ。

名前呼ばれても ボーッとしてる春日くんは まぁ分かる。 でもなぜ仲村さんまでボーッとさせたのか。 春日くんも仲村さんも、どっちもボーッとしてるので 先生に2回名前を呼ばれるシーンで 仲村さんがめちゃくちゃ目立ってる。原作読みからすると いきなり意味が不明。 春日くんが佐伯さんに見惚れてると モブみたいな仲村さんが出てきて、突然あの一言っていう緩急が全く無かったのがファンとしては いきなりのショックでした。 玉城さんの目力演技が凄かったので尚更。

映画自体にしても、展開の連続が過ぎるので 全くドラマがない。人間の感情を感じるシーンが無いんです。緩急の急だけで作られてるみたいな印象。この辺 ドラゴンクエスト ユアストーリーを感じるような超テンポ。

第一部と第二部で 独立してるような原作なので、どちらにもちゃんとした山場があるのに一本の映画にしたことで全然思い入れがないまま その山場が訪れ、もうホントに ただの変な映画になってます。 もうほんとに深夜の30分ドラマ枠でめちゃくちゃしてくれたら、どれだけ嬉しかったことかぁ。

変なことを真剣に扱ってる作品なんだから、マジでただの変な映画にならないように気を使わなきゃいけないのに、2時間でまとめようとするからテンポがバカ早く、キャラクターが掴めないまま 置いていかれ、れっきとした変な映画になってた。

特に、春日くんの変化があまりにも急なのが痛い。 仲村というキャラを受け入れ、彼女に影響されるには何よりも時間がいる…。 春日くんはこの作品で唯一、異常な仲村さんに立ち向かい 受け入れていくキャラクターだから、彼の観客目線は絶対必要なのに、いちいち台詞が「うわぁあぁああ!!」とかばっかりなのでホラー映画の空気感。原作からして「うわぁあぁああ!!」ばっかり言ってたような気もするけど 字面と音声の違いは大きい。まるで正常な感情を持った人間には見えない春日くんの姿は、原作ファンには辛いものがありました。 だって惡の華初見の人には、仲村さん以上に春日くんがヤバい人に見えるはず。 いたって普通に見える春日くんを、仲村さんだけが異常なものとして扱っていくなかで本能的な部分が出てくるっていう過程、全部吹っ飛ばして春日くんがおかしい演技してるんだもの。 雨降り半裸シーンなんて ショーシャンクの叫び方するから特にやばかった。感情の脈絡が行方不明。原作に比べて変なやつの受け取り方が違う。原作の春日くんは厨二病の痛いやつだけど、映画版の春日くんは完全にサーコパース。サーコパスのなかのサーコパス。

【圧倒的に可愛い佐伯さん】と【あまりにもヤバすぎて可愛いとか可愛くないとかそういう問題じゃない仲村さん】っていう原作の確固たるイメージが、この映画だと【あまりにも可愛すぎてヤバイとかヤバくないとかいう問題じゃない仲村さん】になってた。可愛い成分も、ヤバイ成分も 玉城ティナさん 1人で担ってるので、ヒロインがあと2人いたことに誰も気づかずに映画が終わる。 そのくらい 玉城ティナ: 状態【無双】になってた。貞子も伽倻子も恋するレベル。

もうこの映画で残念だったのは、 佐伯さんの魅力が 原作と違い過ぎたこと。 仲村さんのビジュアルがちょっと良過ぎること。 春日くんの感情変化のプロセスがめちゃくちゃ雑なこと。 なんとかまとめようと展開を短い時間に沢山入れ過ぎて、ドラマ部分が雑になってたことです。

ラストの海辺の下りに至っては、下手な人が作ると ここまでグダグダ感が出るのかとびっくりしました。 原作 押見修造の才能に気づかされる。 あれが完璧な映像化です、押見先生。

後半も含め、玉城ティナさん演じる仲村さんは( 綺麗過ぎるってことは置いといて… )叫びもビジュアルの空気感も 凄い再現度だった。仲村さんだけでこの映画に余韻が生まれてるし、ちょっといい映画だったな、なんてと 思ってしまう可能性まである。

父親、母親などの脇役に もったいないほど名のある役者さんを使ってたのはちょっと残念。押見修造作品の脇役なんて 見たことない役者さんが演じるのがいちばんハマるに決まってますから。

あと、仲村さんに似てる常盤さんっていう設定なのに顔の濃い玉城ティナさんと、顔の薄い飯豊まりえさんをチョイスした人すごい。ほんとすごい…。 広瀬アリス水野美紀くらい似てないと困ります。ピコ太郎と古坂大魔王北村匠海大谷翔平くらい似てないと困る。 ちなみに、飯豊ちゃんは本田翼と同じ系統の顔だと思ってます。はい、かわいい。 とにかく、映像化に関してはアニメの方がいい。 しかし結局は、漫画がいちばんの惡の華でした。 惡の華は永遠のバイブルです。

後半の伊藤健太郎鉄コン筋クリートのクロ。