計算された、Lv100のバカ騒ぎ【くれなずめ】ネタバレ感想。
くれなずめ、観ました。
ネタバレ注意⚠️⚠️
【緩急が、おでんの出汁】
ああいう男子のノリは嫌いなんだけど、その若干のストレスの先にどうしようもなく笑いがこぼれてしまう爆発地点みたいなものが潜んでて何度もそれに引っかかってしまった。
直前にバカ騒ぎがあることで、静かに対話する場面の味が見事に引き立っててまさにおでん。おでんの出汁。バカ騒ぎにいったん観客を浸すことで直後のシリアスが脳に直接作用するほどのパンチを纏う。構成からして変にカッコつけず分かりやすさを大切にしてくれてるのでホントに観やすい。尺が90分なのも、観客のこと考えてるぅ〜…。トイレでの手洗いとか、落としたクッキーとかちゃんとキッカケ作ってから回想で拾ってくのも上手いなー。。
【コメディの炸裂具合】
藤原季節パートの前田敦子投入からのコメディが良くて、あっちゃんずっと怒った演技してるだけっちゃだけなんだけどなんか面白いし、やっぱりキンタロー。の面影が近づいてくるしで登場時間少ないのに、妙に記憶に残った。「成仏させよう」からの棺みたいな運び方で、「ほわんわんわんわーーん」のあとの成田凌の引きの絵も最高だった。なんか既視感あるなと思ってたらザックスが死んで 綾香が歌い出すやつでした。
【菜の花は、あえてのヤツ!】
問題の菜の花畑のシーン、積み上げてきたもん全部ぶっ壊してでもコメディに向かって走り出すの最高だった。もはや邦画のCGはコメディに使えるひとつの要素だ!として放り込んでくるのが面白いし、たとえあの流れを意味不明として受け取った観客でも「なにこれ…?」って訳わかんない状況に笑えるだろうし、結果的に目論見は成功してるのが強い。「笑えよ!」ってテーマの終盤でLv.100のバカ騒ぎしてるんだからこの作品としては絶対に合ってるので、これを叩かれるのは監督けっこうキツそう。あのCGのしょぼさを真剣に受け取っちゃうかどうかがだいぶ評価の分かれ目になってるなー。少なくとも主演の6人はこのラストが良いと思って出てると思うのでその事実、たまらなかった。好きな映画に出てくる常連は信用できるなー。
【出てこんといてくれ】
成田凌、若葉竜也、藤原季節の3人の演技はいまの邦画界にゃ欠かせないし、出来るだけ残って欲しいなと思わされた。周りがだいぶ今イケイケな分、高良くんの演技だけひと昔まえの邦画っぽい落ち着きがあって、演技って時代で変わるんだなとだいぶ強めに実感した。なんか高良くん、時代が違った。
とはいえ城田優だけは、たぶん本人役でした。これは直球の偏見なんだけど、どうせ城田優はあんなヤツやろ。おれのありとあらゆる好きな作品に、ひょっこり 顔だけ出してくるのやめろヨ!
赤フン漬けビール、消灯会話の聞き耳、おでん屋の会話、公園の告白、スーパーでの訃報、好きなシーン多かった。
ありがとうございました。