映画雑文 トカ

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えんじ色のマコトくんを探せ‼️【宇宙でいちばん明るい屋根】/ ネタバレ感想。

【宇宙でいちばん明るい屋根】観ました。ネタバレ注意⚠️⚠️

藤井道人監督の作品は【デイアンドナイト】が無茶苦茶嫌いだったのと【新聞記者】の「悪い奴らは、みんな暗い部屋に置いて、ものすごく悪い顔させる」っていうコロコロコミック読んでる層にまで届きそうな、単純な演出が苦手だったので「もう観なくていいかな」って監督だったんですが、ひょんなことから観ることになりました【宇宙でいちばん明るい屋根】。 タイトル、【世界でいちばん長い写真】に似過ぎだ。。

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今作は、藤井道人監督作品の中でもいちばん悪いところが出てなかったなーって作品でした。とりあえず変な引っ掛かりが少なくて見やすかった。

【桃ばぁ】

個人的に、将来 芦田愛菜ちゃんとバチバチにぶつかり合いそうな、同じジャンルの顔してる主演の清原ちゃんの演技は 今回も普通に良かったんですが、なんといっても桃井かおりさんの どこまでも自然体でいて、個性だけをしっかりと残していく確かな演技力の高さに掴まれました。あの人ずっと何者かと思ってたけど、ただの演技めちゃうまおばちゃんでした。桃ばぁ。。

ストーリーの方はかなり思った通りに進むんですが、いくつか好きなシーンがあったのでなんとか助かりました。

藤井道人演出の難】

ある行動が理由でマイナスな状態にいる清原ちゃんが、傘も差さずに雨に濡れてびしょ濡れになって家に帰ってくる演出とか、相変わらずの藤井道人作品〜って感じでした。 藤井監督の演出は お手本とかを軽く通り越して、コッテコテの親父ギャグ感が出てる気がしてしまって、いつもちょっと笑ってしまう。。、 とりあえず桃井かおりを 登場と同時に空飛ばしたせいで、不思議なおばあちゃんというよりも、幻想のおばあちゃんっぽくなってしまってたのが残念。あの演出ひとつのせいでおばあちゃんが亡くなってるっていう展開に驚きがまったくなくて、かなり勿体なかったです。星ばぁ、空飛んでるっていうのと、見たい人にだけ星ばぁが見えるとかの説明が、なんとも観客への情報コントロールとして邪魔だった気がします。幽霊としてみればいいのか、不思議な人として見ればいいのかどっちつかず過ぎて、オチがそのまま弱くなってました。

伊藤健太郎がバイクに乗って転倒する映画】

そして本作最大の問題が、演出どうたらの笑い話を一撃で粉砕するほどに強烈なあのシーンです。 超がつくほど急に始まる、モブキャラ一切なしの、主要登場人物をフルに使ったバイク事故シーン。。 ものすごく唐突に始まるわ、主要な登場人物が1箇所に集まり過ぎてるわで「それはちょっと都合が良過ぎるやろ!」っていうツッコミを、「お前がバイク乗るんかい!」っていうツッコミに変えてしまう、伊藤健太郎マジック、決死の覚悟すぎて笑ってしまう。 「なにバイクが転倒したの、歩行者のせいにしとんねん」とか「おまえよくこんな役やってて あの時、バイク放ったらかして逃げたな。。」とか、あたまのなか伊藤健太郎バイクひき逃げ事件でいっぱいになっちゃう。こんなんどんなコメディよりも面白いし、これホント当時、監督とか出演者マジでドッキリを疑ったレベルでしょ。。 映画の内容が、ちとタイムリー過ぎました。。

【男子2人の正しい使い方】

構成に関しては 主人公と関わる男の子を、醍醐くんと伊藤健太郎の2人に分けてしまったことで、どちらも終わり方が中途半端になっていて勿体なかったです。 主人公が付き合いたいのは伊藤健太郎なのに、星ばあは「マコトの面倒見てあげて」って言ってくる都合の合わなさ。第一 マコトくん 引っ越しちゃうらしいから、面倒どころか 未来永劫 顔合わせることもない可能性出てきてて、ラストが結構ごちゃごちゃしてました。 もうすこし男子2人の距離を近づけて、2人ともを一気にひとつの結末に導くくらいの展開が正直欲しかった。 そもそもバイク事故の件で、たいぶ近い距離にいたはずの2人なんだから、そこはもっと掘り下げれたんじゃないかなー。。

1ヶ月付き合ってて、えんじ色の屋根のマコトくんにピンとこないのも頷けないし、そもそもマコトと伊藤健太郎が再開したあのシーンから、そのまま3人体制で家を探す流れに持っていかなかったのが普通に考えておかしい。。伊藤健太郎と清原ちゃんが歩いてるのを目撃するなり「おれを轢きそうになった奴が、おれの元カノと何やってんだ」って突っかかってきて、そのことをすぐに謝る伊藤健太郎。それを見て清原ちゃんが「あんた松葉杖ついてる人によくそんなこと言えるね。やっぱり別れて正解だった」ってキレる。そのまま3人で家を探してるうちに仲良くなってきて、手伝ってくれたマコトを家に返しに行ったら、その家がえんじ色で「え…名前、待って。マコトじゃん…」っていうコンパクトな展開に何故しなかったのか。この方がマコトの強気なキャラクターを描きながら、家を探す際に可愛い面を見せたり出来るし、なによりも伊藤健太郎とマコトを繋げられるから真剣にこういう展開にしてほしかったです。 ほんとにこの2人の無駄使い感エグいです。

【まとめる】

マコトくんの話でいうと、桃井かおりがマコトくんに再開して泣くシーンの感情表現がすごかったです。マコトと再開するまでの不安とかが一気に晴れて、心がいっせいに色んな方向を向いちゃって ぐちゃぐちゃになってるのを、顔ひとつで表現しちゃう恐ろしさ。。マジで桃ばぁ、ただの演技めちゃうまおばちゃんだった。。

マコトくんを演じてた、醍醐くんは天気の子の声優やってた時から雰囲気ここまで変わるの?ってくらい違う人みたいでした。清原ちゃんが泣いてしまった時の焦り方、根はいい子なんだろうな感にあふれてて、最高。

清原ちゃんは清原ちゃんで、涙流すタイミングうま過ぎか。。CGで付け足したんかと思うくらい これ以上ないタイミングで涙 流れてて「CGで付け足したんだな」と思いました。

デイアンドナイトにも出てた 山中崇さん、書道教室の先生なんですが、今回なんかオダギリジョーみたいな哀愁出ててカッコ良かった。。 笹松くんも引き続き出演されてたけど使い方めっっ…ちゃ贅沢でした。友情出演か。。??

派手さは一切ない映画でしたが、 主演2人の距離感はなかなか好きな感じでした。

ありがとうございましたー。