映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

あっ…【万引き家族】

公開当時、

劇場で観れなかった万引き家族をついに観た。

観れなかったとは言ってますが、是枝監督の前作、三度目の殺人がぼくにとっては驚くほどの脳内大スペクタクル巨編だったこともあり、若干の…、あれです。凄い評価受けてる作品観るの おっくうになる、あれ。

あれが発症してしまい、21年ぶりの邦画パルムドール獲得作品を大胆にもスルー。忙しいことを理由にして逃走を図ったのでありました。

君の名は。も、アベンジャーズも、流されまいと必死にバタフライで追いついた、誇り高きミーハーなのにも関わらず…。

 

パルムドール受賞で万引き家族にはかなり期待していました。

わたしは、ダニエル・ブレイク

アデル、ブルーは熱い色

戦場のピアニスト

エレファント。

ダンサー・イン・ザ・ダーク

ピアノ・レッスン

人の感情をパンチングマシンと勘違いしてんのかってくらいバカな威力で殴りつけてくるリスキーな奴らに与えられた勲章、それがパルムドール

なのに、万引き家族は違った。

 

是枝監督の作品は大好きです。

前述、三度目の殺人は特に是枝監督の地位を不動のものにしたと思っているほどの傑作で、万引き家族調べてた時にふと目に入った、フィルマークスの点数「3.4」は普通にめっちゃショック受けたし。

 

是枝監督の作品には2つ作風があると思っていて、それは 三度目の殺人のような徹底した完成度を誇るフィクション系と、誰も知らないのようなノンフィクション系。

そんで、万引き家族はあえて距離を置いていたその2つが、ついに1つになった感じ。

初期の是枝作品、ワンダフルライフは 死後の世界というファンタジーをノンフィクションとして撮影するというキテレツが、銀河一周回って逆に違和感なく融合出来ていましたが、今回の万引き家族はフィクションとノンフィクションが上手く融合 仕切れていない感じでした。

 

パルムドール作品の、多種多様 どんな手を使っても観客の精神を破壊しに行くー❗️( ´ ▽ ` )といった圧倒されるような熱量。それらに比べると、伝えたいことを言葉で伝えているところが多いため かなり分かりやすくて 大衆みんなに届く作品だったし、その分優しい映画だった。

狭く深い破壊ではなく、広く浅い優しさ。

 

安藤サクラさんの演じるキャラのセリフが特に作品の本質を捉えすぎてる感があった。公開当時、安藤サクラさんの演技をみんなが高く評価していた印象でしたけどリアルを感じたのは あまり評価されていなかった、リリーさん。樹木希林さん。松岡さん。

松岡さんの樹木希林さんへの接し方なんて あの画面のなか、リアリティしかなかったよ。

けど、そうは言っても 安藤サクラさんの例のシーンは確かにすごかった。あれ そんなに涙のシーン、涙のシーンって言われるほどか?って思うかもしれない。

でも、あのシーン自分で真似してください。誰がそれ見ても、もう安藤サクラさんの演技を意識する。誰も他に連想される人がいない。やればもう、安藤サクラの真似になっちゃうって、本当にすごいです。

 

樹木希林さん、作品内で ああいった結末を迎えていたのにも驚きました。作品のなかでは端役かもしれませんが、現実の目で見ると樹木希林さんは紛れもなく主役だった。

 

テーマ性。是枝さんの作品は「これを伝えたいんだ。」ではなく、もう存在している事実として、ただ描く。それを見たうえでそこから何かを感じとるのはあなた、という作り。今回もそうでしたが、なんかこの終わり方というか作風。ほかでも感じたことあるよなぁと思ったら

その作品も、是枝さんの作品でした。

やっぱり他が浮かばないってのは 唯一なんだろーなぁ。

でもノンフィクションらしく見せるなら、ちょい役で有名な人 出されるの困るなー。作品を世界に出せば、関係なくなることだけど。今回のも、池松くんとかは印象に残る味わい深い演技だったけど、高良健吾池脇千鶴コンビはもうダメ。出てきた瞬間の「詰んだ」感だけで、この作品あと30分で終わるな。と察する。

鈴木亮平も驚きの、テッペキーーーン具合に笑うしかない。

高良くんは甲羅のように硬いし、池脇さんはもう演技が全然、脇じゃない。メインの座を奪いにきてる。無意識に。座を万引きじゃなくて、正面から奪おうとしている。

結局、

総じて良かったところは細野さんの音楽です。予測を崩すような流れで。淡々と、記憶に焼きつく素晴らしいものでした。好き…。

なんか万引き家族の良いところまとめてみたら、樹木希林さんと細野晴臣さんの2人のことになったので、ぼく的に顔の系統似てる お2人が選出されることになりました。めちゃくちゃ顔似てませんか?希林さんと細野さん。

 

「盗んだのは、絆でした」って、誰が被害者、誰が被疑者として言ってんだろうね。

奪われて潰れたのは、駄菓子屋だけ?

崩壊してしまったのは…。

なんかこの点は、三度目の殺人っぽいな。

 

演出、画面、構成。

完全にフィクションの是枝作品が、やっぱり大好きです。

次回作、待っています。最高の、お願いします。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 

あ。あと、お願いですので 監督。

今回みたいなタイトルバックだけはどうか…どうか…。あれはちょっと…そっけなさすぎてスタートからとても…悲しくなりました。もう少し格好の良い出し方を、どうかひとつ…。

レザボア・ドッグスとまでは言いませんので…。