映画雑文 トカ

数分で読める映画感想ブログです。基本ネタバレしてるので気をつけてください⚠️ Filmarks ▶︎とか25 【https://mmmryoshe.hatenablog.com/】

【バクラウ】とかいう観る詐欺に引っかかった。

【バクラウ 地図から消された村】を観ました。 かなり前から予告編見て期待してた作品だったこともあって、新しいおもちゃ買い与えられた子どもみたいにウキウキした気分で見始めたわけなんですが、まさかこの2時間後、自分が詐欺に遭ってるとは知るよしもありませんでした。。 ⚠️ネタバレあり❗️

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バクラウという古く寂れた場所に、新鮮な設定を投下する斬新な作品になるのかと思いきや、予想を遥かに裏切るこの味気なさ…。 作品に不穏な空気を感じさせる「なにコレ時間」が異様に長く用意されてる割りに観客を引きつけるための素材がかなり少なく、村人が殺される→なになに?→村人が殺される→なになに?という一本槍だけを武器に突き進んでくる。こんな勇ましい姿を見てしまうとどうしたってその結末に期待してしまうわけなんですが、そうしてたどり着いたタネ明かし、作品の結末部分がまったく面白くないというまるで観る詐欺に遭った。時間を返せとまでは言わないが「ちゃんと広告に釣られ、ちゃんとお金騙し取られる」…そういった類いの壮絶な悔しさだけが残る映画体験でした。

予告編の売りとしては、 村の長老が亡くなったことをキッカケに 正体不明の何かが村に悲劇をもたらしていく………というものだったハズなのに フタを開けてみれば、村の長老が亡くなったから コイツがこの村に悪いことしますよ。っていう全然正体隠さずにフルチンでこっち向かって歩いてくるタイプの作品で、予告編が植え付けてきた見えない恐怖が襲ってくる的な先入観のせいで、正体隠してないのにコイツのことしっかり忘れちゃってた結果 最後のタネ明かし部分で「あ、え、おまえなの………??」ってなる、全力で作品をおもんなくさせようとする匠の技が存分に発揮されてて、この作品に何か恨みでもあんのかと思うくらいに間違ったアピールされたとにかく可哀想な作品でした。

どう考えてもこの作品の構成ならミステリー映画じゃなくて、対立のアクション映画として売った方が良かっただろうし、ミステリーで売るにしても展開を見せる順番がおかしいからラストで満足させる程の結末もないし、何から何までおかしくて歪。

SABU名倉潤をミキサーにかけましたみたいな顔したヒロインも全然ヒロインじゃなかったし、多すぎる村人キャラクターを有効活用することもあんまし出来てない、何が個性なのかわからない作品でした。 何が起こってるのか分からない緊張感だけは面白いものがあったので、満足のいく斬新なラストさえあればかなり良かったのではないかなぁと思いました。

ありがとうございました〜。

にわかVSシン・エヴァンゲリオン。【⚠️全編ネタバレ】

⚠️アクセル全開のネタバレ記事なので映画鑑賞前の方は見ないでください!すみません!いまから映画、いってらっしゃい!

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新劇場版3作しか見たことがないエヴァンゲリオンど素人なため、YouTubeで必死にかき集めてきたあらゆる情報使って出来たボロ船に乗ってなんとか最寄りの劇場へ。 前作のQで、分かりやすく払い落とされた哀れなパンピーなので今回は恐る恐るの鑑賞でしたが、まさかの大団円に心震わされました。。

全体的にはアベンジャーズエンドゲームを思い出す、まず一服をしてから最後の戦いに臨む緩急の効いた展開が、長く続いたシリーズの終わり方としてとても好みなものでした。

震災から10年という年にこういったテーマを持った作品が巡り合うのにも縁を感じますし、あるシーンには縁というか"結び"というか、新海誠監督がよく使う扉の開け閉めを真ん中から撮影する手法が一瞬出てきたりして、そこは興奮しました。

正直、序とか破に登場してた昔なじみのキャラクターが出てきたあたりは、自分に思い入れがさほどない分普通に「生きとったんかワレ」って程度に軽く受け入れられたんですけど、見る人によってはもうあの辺のキャラ登場しただけで思うところあるんじゃないかなぁとかいちいち思いながら見てました。

シンジの声優さんの緒方さんは最初の頃すごい苦手で違和感のある声優さんだと思ってたけど、徐々に慣れていくとここまでキャラクターの心情にブレることなく声を被せてくれることへの安心感、信頼感はとてつもないものがあるなと実感。心から信頼できる声優さんだと感じました。

鬼滅の刃とか呪術廻戦とかがバカ流行ってる今、こういう超ド級の兵器がバンバン出てくる圧倒的な大作の背中見るだけでなんかもう心地がよくて、清々しい。どうか最近のしょうもないミニマムな流行り漫画たちを端から端までぜんぶ駆逐して下さい。。

魅力的なのにサブキャラ止まりで勿体ないなぁと思ってたマキイラストリアスの立ち位置が定まり、ああいった結末を迎えるまでに至ったことが新鮮で面白かったです。仕草から口調、シンジへの接し方までずっと魅惑的で素敵な女性キャラだった。 アスカのことずっと姫って呼んでたり、距離感が近視の人の裸眼かと思うほど近いのもぼくの癖にブッ刺さって、最&高。

ミサトさんが「全艦………、発進!!」ってほんの少しの間を開けて叫ぶところ、20数年かけてここまで来た作品だけに、gとkgくらい明らかに言葉の重みが違って鳥肌が立ちました。ちょっと涙も出た。大してファンでもないのに。

エヴァンゲリオンって女性陣が主役だし、女性陣がカッコいいし、女性陣が全てを引っ張ってるなって戦闘シーンみてて気づく。 アスカもマキイラストリアスも雄叫びだけなら竹原ピストルにも負けない男らしさ持ってて、本当にカッコいい。声優さんたちに感謝です。サブキャラを演じてる声優さんたちにも言えることですが、みんなエヴァンゲリオンへの強くて長い思いを胸に秘めながら演じているような喉から血が出そうな熱演されてて、声だけでなく声優さんたちの姿までハッキリと見えるような感覚でした。

楽屋みたいなとこを転々とめぐりながら謎のバトルを繰り広げる父子という見たことも聞いたこともない悪夢みたいなシチュエーションが平気な顔してぼくの前を通り過ぎるので、いったい目の前で何が起こってるのか瞬時に判断を下す事が出来ませんでしたが、「これがエヴァかぁ…✨」ってエヴァ素人の頭に切り替えることで難なくこれを乗り越えました。

シンジくんに無理やりレーション食わせるシーンの動き方が異常な出来だったり、序盤から凄かったCG技術がクライマックスに向かうにつれてそのリアリティの使い方に磨きがかかっていき、コレはどこまで行くんだろうといった所で 着色もされてないような原画映像を流し、ラストシーンではアニメーションを現実の風景に落とし込むというひとりアニメーション見本市が開催されており、「富樫仕事しろ」的な発言されてた庵野さんの華麗なる仕返しが見事に決まり過ぎててカッコいいなって思うと同時に、もはや伝説と化したような人が現役でもバリバリ史上最強の監督なの少年マンガ的な熱さを感じました。

最後ら辺のお片付けというかひとつずつ全てを終結させていく過程はあまりにも心地が良くて2時間半も見てきたというのに、まだ見てられる、ずっと見ていたいって思う妙に気持ちの良い体験でした。

そのうえで最後に宇多田ヒカル。。 これはもう、映画館から帰りたくなくなる。。

エンディングに1.2曲流れるだけなのに楽曲が始まるそのタイミングと容赦の欠片もないエモさによって、運動会で他人の子どもが成長した姿に涙流す保護者みたいな目線にさせられてしまい、レイトショーでちょっと安上がりに観たクソにわかファンのくせに「26年お疲れ様でした…」とか感じてて、ヒッキーの必殺仕事人な手腕に感動しました。

シンジが声変わりして神木隆之介になるのは、声変わりというアニメーションの歴史的にもそんなないんじゃないかと思うほど見事な演出で、よく閃いたなというのと、神木くんアニメ界の伝説の人たちに寵愛受け過ぎててもう神話の少年みたい。

想像以上に楽しめる完結編で大満足。 長く観てきたことでの喪失感も味わってみたかったなぁ。

ありがとうございました😊

王道…!【ジャンゴ 繋がれざる者】ネタバレ感想。

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今更にも程がありますが、タランティーノ監督の作品って飛び散る血飛沫と飛び散る臓物で真っ赤っかに色づけされてる割に、ほっぺたプルンプルンの赤ちゃんにでも分かるくらいクライマックスで主人公がド派手に勝つ 気持ちいいお話になってて「あれ…もしかしてタラちゃん 王道…?」ってことに今まさに気づいて、絶賛キョドリちらかしています。

「どうしても文句がいいたい」っていう史実の数々に対して、事細かに描かれた脚本とド派手なクライマックスを用意したうえでしっかり盛り上げて終わるっていうエンターテイメントの基本を、他の監督作品見てみてもよくよく考えれば 骨の髄までちゃんとお行儀よく守ってて、タランティーノ監督って もしかして全然異常な監督じゃないのでは??っていう、ストレートに失礼なイメージ像がココ最近 剥がれ落ちてきてる。 ただキチンと見ていけば要所要所に、どういう思考回路走らせたらこんなシーン撮る決断下せるんだよってところが出てくるわけで、そういった細かい演出が作家性の大部分占めてるなぁと改めて感じました。

イングロリアスバスターズでキャラクターからも観客からも恐れられてたハンス・ランダが、今回は徹底的に追い詰められ………、たかと思いきや、ヴィンランドサガでアシェラッドが王に楯突いたとこ思い出すような肝の冷えるおっそろしい場の空気作り出してたりして、今回もクリストフ・ヴァルツがすごかった。。

賞金稼ぎとして成長していく序盤のゲームみたいな作りはワックワクして小躍りするし、クリストフ・ヴァルツ演じるシュルツのキャラクターも冷静沈着ながら人間味が事あるごとに色んなとこからこぼれ落ちちゃってて面白い。

レオナルド・ディカプリオサミュエル・L・ジャクソン演じるキャラクターの 信頼しあっているのか、連携取れているのか、会話通じているのか、その辺全然ちゃんとしてない甘い線引きのうえで成り立ってる見慣れない関係性もどこかおかしくて魅力的でした。

色物に見えてどこまでも王道。 エゲツない描写が多々あっても、突然跳ね上がるクライマックスのド派手さに毎度 心掴まれて、面白かった〜ってなっちゃう憎めないタランティーノマジックが炸裂。THE 終わり良ければ全て良しな作品でした。

レッドデッドリデンプション やりたくなった。。

ありがとうございました☺️

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ほぅぉ【ヘイトフル8】ネタバレ感想。

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サミュエル・L・ジャクソン

カート・ラッセル

ティム・ロス

マイケル・マドセン

ゾーイ・ベルっていう タランティーノアッセンブルなこの並び見るだけでもう満たされてる部分あるんですが……。

内容としては密室劇…、過激な描写だったり推理、二転三転する展開とまぁまぁまぁ楽しめるものでしたが【 タランティーノの作品 】として見てるこっちとしては、大抵なにが起こっても驚かないスーパータフメンタルに自動的に切り替わってるので、「この作品にはなにか裏がある!」っていう作風で出されちゃうとコッチも人が悪いから、「まだ隠し持ってるモンあるんじゃないの!」っていう万引きのコントの導入みたいな気持ちになってしまって、もっともっとキテレツなもの出してくれないと満足出来ない。

そのうえ今回の作品って、力技じゃない正々堂々しっかりとした脚本のもと、ラストに向かって一歩ずつ進んでいくタイプの映画なので、それがこの作品の物足りなさに大いなる拍手かけてて、どうしても両手上にあげて奇声上げながら大喜びするといった事ができませんでした。

しかしでもでも、コーヒー、拳銃、ジェリービーンズ、なぜか壊れて使い物にならない入り口の扉。きったないのに心底美味しそうなシチューなどなど、どこをとっても印象に残る小道具の使い方は今回も健在でございました。

それぞれのキャラクターに用意されたバッググラウンドや、語られる人間関係の豊富さ。どういう思考回路であんな細かい脚本を書いてるのか気になって仕方がない。 作品ごとに必ずああいった人物描写を用いてますが、ただの無駄話として割り切るには偉大過ぎる空想力。あれを書けと言われて、どれだけの作家があんなクオリティのリアリティを出せるのかって話。今作はそういった部分が特に目立っているように感じました。

タランティーノ監督だから麻痺してますが ラストの殺し方、構成としては上手いけど絵面あんまりにも悪趣味が過ぎるな…!とか思ったり、女の人が顔面ぶん殴られたり、挙げ句の果てにそのおっさんの血反吐 顔にぶっかけられてても、めざましテレビ見るときの極めておだやかな顔して見てんだから、わたしの頭だいぶマヒしてる。ウキウキしながら殴られに行ってるあの女の人も相当マヒしてますが。。

総じて、 驚異の雑談。 豪華俳優陣。 シチュー!!な作品でした。

ありがとうございましたー。

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YES!【イングロリアス・バスターズ】ネタバレ感想。

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タランティーノから 「これはダントツで最高傑作だろ」を頂きました。

自分が小学生か中学生の頃以来 約10年ぶりに味わう、この果てのないタランティーノ監督の自由奔放さ。 12.13才だった当時、皮剥ぎのシーンにとてつもない衝撃を受けた幼気な私も成長し、ついにこの映画の面白さが分かる歳になりました。

あの頃、クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダのなにがそんなに凄いのかよく分からなかったのにもうなづける、大人になってこそ恐ろしい、ハンス・ランダの纏う変な温度と異様な間。 少年のような澄んだ眼差しで 何でもかんでも質問してくるのは構わんが、実際は他の答えにたどり着くための悪質な質問責めなのでタチが悪い。 断ったら怪しまれるし、断らなくてもボロが出る。よくこんな、笑顔で出刃包丁の切っ先 喉もとに付けつけてくるようなキャラクター作れるなぁと毎度のことながらそのチャーミングでユーモア全開な脚本に楽しませてもらい、同時にクリストフ・ヴァルツイカレたカッコよさにほっぺた赤く染めました。

もうブラピもメラニー・ロランも隅っこに置かれちゃってて いってぇどいつが主人公なのか あたりキョロキョロしてる間に、舵がぶっ壊れて右往左往する展開に流されエンドロールに漂着する。そして仁王立ちで待ってたタランティーノがあたしに向かって「これがダントツで最高傑作だろ?」なんて言うもんだから、「いったいあなたはたった一人でどこまで映画の幅広げて行くつもりですか?😭」ってこっちからも涙ながらのメッセージ送りたくなりました。

この作品あたりから どんどん歴史改変ものに舵を切って行ってて、映画界っていうか歴史まで平気な顔で変えようとしてるの、どこまでも自由で最高です。

ありがとうございました☺️

イングロリアス・バスターズ [DVD]

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  • 発売日: 2012/04/13
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馬糞に突き刺さる金字塔。【フェリシーと夢のトウシューズ】ネタバレ感想。

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久しぶりに目の覚めるようなクソ映画を見ましたので ここに感想を残します。 ↓

アニメーション史上に燦然と輝く金字塔打ち立てるんじゃないかっていうクッソみたいな脚本。 構成もなんもかんもが、目も当てられない無茶苦茶さ。 脳みそがシビれる。。

早送りみたいに中身のない異常なテンポでお送りするクソ脚本に、それっぽい歌流しとけばいい感じになるっしょ!っていう大いなる勘違い起こしてて、馬鹿の一つ覚えみたいに歌、歌、歌の大連発。 ここぞというタイミングで作品にぴったりの歌を流すからこっちは感動するのであって……。ずっとマックスのスピード出し続けてるそのバカみたいなエンジンマジでどうにかしてくれ頼む。。。お願い。。。

主人公補正としか言いようのない圧倒的な主人公忖度が朝から晩まで四六時中ずっと発動してて、主人公と一緒にレッスン受けてる他の生徒たちがあまりにも可愛そうで泣けます。主人公に甘過ぎる物語は面白くないということをこれでもかと見せつけられる。

オペラ座の人間は、ホント人間じゃねぇのかと思うほど人間味ないし、史上最高のバレエマスターに至っては 「なんかこう…」とか 「何か足りない!」とか 人にもの教える以前の問題抱えてて、 挙げ句の果てには 「カミーユよく素直に言えたね」とか お前がいちばん よくカミーユにそんなこと言えたなっていう嫌味でしかない台詞吐き捨ててたので、ぼくがカミーユの親だったらバレエマスターを殺します。

ここまで的外れだと逆にスゴくて、 酷い脚本作れって言われても狙って作れるようなレベルじゃない。

主人公フェリシーとその師匠オデットは名前偽装 + 隠蔽工作の犯罪者コンビにしか見えないし、もはや制作側がそういう意図で作ってるとしか思えなくなってきてて、ここまで来ると自分の信じる正義とは一体なんなのか根底から分からなくなってきます。 なぜ犯罪者2人側の視点に立ってアニメーション映画なんか見なきゃいかんのか、前世でものすごい罪を犯したことへの罰とかいう正当な理由がなきゃこんな映画観させられていいわけがねぇ。。 たまったもんじゃねぇよ、まったく。。 刑罰ですよ こんなもん。。。

いちばんまともな思考のもと行動に移ってるのが、悪役ただひとりだけなのホントこの世の終わりみたい。。 頑張って練習してきた自分の娘が、自分の娘の名前語ってるやべー娘に審査員全員一致みたいな形で役まで取られたら気が狂っても仕方ないでしょ。。頼むからフェリシー…!【セッション】のラストみたいな地獄味わってくれ…!!と願わずにはいられませんでした。

あと劇中歌でシーア流れた時の絶望感もハンパじゃなくて、しかも調べたらこれシーアの書き下ろしらしく、シーアの時間1秒でも奪うこと許されないようなくっそ映画が 確実に数時間はシーアから時間奪ってて、こんなことボクが思うなんて信じられないんですけど、はらわたが煮えくり返りそうでした。

ほぼ全キャラ、製作者の敷いたレールの上を進む操り人形。

最後の最後まで夢オチであれと願った映画、他にあったかな。。【ダンサーインザダーク】ぐらいか。。

酷い脚本とはこれだ、っていう教材、お手本としては素晴らしい価値を秘めた作品でした。

記念すべきFilmarksの登録1000本目がこれになってて、涙枯れた。。

ありがとうございました。

フェリシーと夢のトウシューズ(吹替版)

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  • 発売日: 2017/12/11
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【スタートレック】前半最高。後半覚えてない。

どう考えてもスターウォーズの方がきッついタイトルしてるくせに、なぜかそれを上回るキワモノオーラを放ってる印象のスタートレックを観ました。 観たのはいちばん最近のシリーズ、JJエイブラムス版のやつです。でスターウォーズに引き続きこれもまたエイブラムス。宇宙空間への憧れが過ぎるエイブラムス。

まず映画スタートからなんとなくカットインしてくるマイティ・ソー演じるクリス・ヘムズワースにびっくりしてたら、めちゃくちゃなスピードで殉職してしまう。あまりの呆気なさと勿体無さに、今となっては震えるような掴みになってました。でも確かに、カーク役のクリス・パインとなんか若干顔面が似てる。あのアメリカ人独特のなんか、…なに?目のバチバチ感?まつ毛が長くてバチコ、バチコしてる感じの。ちょっと冷静になれば気持ち悪い顔してないかクリス・パイン、みたいな。まぁクリス・パインはずっとあんまり気持ちの良くはない印象の顔してるんだけど。正直クリヘムを主役にして、スポックをベネディクト・カンバーバッチにしたものが観たいとか言う どーしようもない理想を描いてしまってるのはわたし1人だけじゃないはず。 スポックなんてもう、逆にベネディクト・カンバーバッチにしか見えなくなってくるので困る。多分いまベネディクト・カンバーバッチの画像検索して見たら思ったよりベネディクト・カンバーバッチの耳が小さくてビックリする自信はあります。もうベネディクト・カンバーバッチの耳 大きくないと違和感ある。

そんなこんなでクリヘムの奥さんが出産するシーンなんですが、出産と船の離脱を「これなんかの比喩なの…?」ってほど綺麗に重ねてたのはちょっと笑いました。 一応こう、宇宙空間に飛んでいく子になるのよ…、みたいな比喩なの…か…?あれだけはコメディにしか見えなかった。

まぁ あと意味わかんないのは、カークの少年時代の描写必要ある?ってことくらい。カークの運転技術みたいなもんはこれからどんどん明らかになっていくわけだし、一瞬車が横を通り過ぎた友だちが 今後カークと一緒に成長していくのかと思ったらカークくんすぐ大人になっちゃうので、ほんとにこのシーン必要あるんか?って感じでした。

作中けっこう散々な目にあう船長の口からカークの父親を思っての名言が飛び出すんですが、 「12分間の船長が、800人の命を救った」はカッコよ過ぎるな。 クリヘムがめちゃくちゃカッコいいという浮き彫りになった事実は認めざるを得ないし、いまのところクリス・パインがカッコよく見えてくる未来がわたしには全く見えない。もう30分はカークの顔観てるんだけど、絶対に好きになれない先祖代々受け継いできた生理的にダメな顔が今まさにそこにある。 そんで、そのクリス・パイン演じるカークのキャラ立ては超王道だけどかっこいいし、スポックもただのクールキャラに収まらないカッコいい思想を持ってる天才ってのがいい。嫌味 言ってくる上司でもなく、部下の意見でも筋が通っていれば即時受け入れて参考にするというこの吸収能力の高さ。 このキャラ、シリーズが進むごとに若干のコメディ要素を身にまとって新しい方向性を見つけていけばめっちゃすごいキャラクターになるなと確信。もう十分 有名なキャラであるにも関わらず。

この作品はなんと言ってもキャラクターの初登場シーンがサブキャラに至るまでマジでかなり上手く面白い。1発でキャラが立つように出来てました。空気づくりみたいなのが上手いんだろうな。

ストーリーが進むことで大きな戦闘が始まるわけですが主要メンバーみんな、言ってもただの候補生みたいな感じなので敵地に単身乗り込む船長に「至近戦が得意なやつ一緒に来い」なんて言われたときの、なんか「訓練したけど、もうこれ多分 敵地行ったら死ぬやん…」感がすごかった。 あー、もうこれは死ぬよ、ね…??っていう。 そっからの フェンシングは絶対笑うし、オルソンとかいうこれまた一言で印象残すタイプのモブキャラが調子乗ってパラシュートギリギリに着地しようとしたら普通にミスして死ぬもんだから そっからの着地シーン、緊張感がすごい。死に方がワールドウォーZのそれ。いちいち単純な着地シーンとかに ここまで恐ろしさとかの演出できるのほんと凄い。

惜しまれるアントン・イェルチンも好演してて最高だった。「僕なら出来る!どけどけどけー!ぼくできる、ぼくできる!どいてどいてどいてー!」は ほんとに最高だし、完全に声が劇団ひとりでした。アントンの可愛い骨格からは、恐らく絞っても出てこないような異質な声がけっこう頭に引っかかって面白かったです。

スターウォーズの最終3部作よりも 絶対にキャラクターの面白さは勝ってるので結構おすすめしたい映画でした。まぁ後半の【宇宙空間ブラックホールバトルシーン】辺りは 内容あんまり覚えてないんですけどね…。前半がすごい面白いのは保証します。

2作目は まさかのベネディクト・カンバーバッチご本人が出るということなので、1人二役?を期待して観たいと思います。ただただ、ベネちゃんのスポック姿が見たいだけの人でした。 ありがとうございました。

スター・トレック (吹替版)

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